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グローバル時代の歴史学
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2016/10/01 |
JAN | 9784000226400 |
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商品レビュー
4.7
3件のお客様レビュー
リン・ハントの歴史学の入門書ともいえる「なぜ歴史を学ぶのか」が面白かったので、こちらも読んでみた。 内容的には、「なぜ歴史を学ぶのか」をより専門的にした感じで、対象は、一般人ではなく、歴史学を学ぶ人、さらには社会科学を学ぶ人という感じか。 原題を直訳すると「グローバル時代に歴...
リン・ハントの歴史学の入門書ともいえる「なぜ歴史を学ぶのか」が面白かったので、こちらも読んでみた。 内容的には、「なぜ歴史を学ぶのか」をより専門的にした感じで、対象は、一般人ではなく、歴史学を学ぶ人、さらには社会科学を学ぶ人という感じか。 原題を直訳すると「グローバル時代に歴史を書くということ」となる。 「なぜ歴史を学ぶのか」を読んだときは、ハントは、いわゆる「グローバル・ヒストリー」を支持しているのかと思ったが、これを読むとそこまで単純な話しではない。 マクロ的なアプローチである「グローバル・ヒストリー」であるが、それは経済的なものを中心とした説明になりがちであり、それまでの文化アプローチの成果を踏まえていないことを批判しつつ、グローバル・ヒストリーをミクロ的なレベル、人の内面、感情も踏まえたうえで、ボトムアップ的にアプローチしていくことを提案しているのかな? つまり、マクロ経済的歴史を人の感情とか、脳神経科学などの成果も踏まえつつ、文化的な解釈学も踏まえた統合的にアプローチしようという話し。 また、結構な分量をフーコーのアプローチの批判をおこなっている。ハントのフーコー批判は、必ずしも適切でないところもある気がするものの、おそらくアメリカにおけるフーコー理解を踏まえたものであろうと思われる。それだけ、今の歴史学において、フーコーの影響が巨大なことの反映ともいえる。 壮大な試みともいえるが、ある程度、イシューをしぼれば、可能なものかもしれない。 実際、最後のほうに著者が専門とするフランス革命をこうしたアプローチの事例として、再解釈する試みがなされている。この説明は試論的で短いものとなったいるが、そのうち、これがまとまったものになるといいなと思った。
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難しく感じる箇所も多々あるものの、これから歴史(教育)ってどうなっていくの?と思っている人には、考えるヒントがぎゅっと詰まっている本。構成はシンプルなので、専門知識がそこまでない場合でも手に取りやすい。
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19Cからの歴史学の流れを概説し、現代の歴史学において主流である文化理論の問題点を提示し、著者なりの解決策を提示した本。 文化理論の弱点として、「自己が消失していること」が挙げられているが、本作品ではそれに対する建設的な批判が与えられているわけではなく、感情的な議論であった。問...
19Cからの歴史学の流れを概説し、現代の歴史学において主流である文化理論の問題点を提示し、著者なりの解決策を提示した本。 文化理論の弱点として、「自己が消失していること」が挙げられているが、本作品ではそれに対する建設的な批判が与えられているわけではなく、感情的な議論であった。問題を乗り越えたというよりは、別の考え方を示すにとどまったと言った方がよい。 文化理論の大元になったフーコーの「言語、文化的な規定が人間を支配する(自己は存在しない)」という考え方と、著者の「自己と社会が相互に作用する(自己にも一定の裁量はある)」という考え方の戦いのように見えた。 なので、フーコーの作品を読んでみないと理解が深まらないと感じた。 認知科学の話は、本当にあのリンハントなのかと疑いたくなるものだったが、それを前面に押し出していたわけではなかったので安心した。 まあ、ともかく、結局哲学に帰ってくるのだなあという感じだ。
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