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ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度 亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ
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ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度 亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ

ジョン・クラカワー(著者), 菅野楽章(訳者)

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ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度 亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 亜紀書房
発売年月日 2016/10/01
JAN 9784750514420

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2021/02/20

『荒野へ』で知られる作家クラカワーが、自身のごく身近に蔓延していながら知ることのなかった性暴力の重大さに衝撃を受け、モンタナ州ミズーリの大学町で頻発するレイプ事件を取材した。町で英雄視される大学アメフトチーム選手たちからレイプ被害を受けた若い女性たちは、信頼していた相手に傷つけら...

『荒野へ』で知られる作家クラカワーが、自身のごく身近に蔓延していながら知ることのなかった性暴力の重大さに衝撃を受け、モンタナ州ミズーリの大学町で頻発するレイプ事件を取材した。町で英雄視される大学アメフトチーム選手たちからレイプ被害を受けた若い女性たちは、信頼していた相手に傷つけられたショックを早く忘れたいという気持ちと、このまま訴え出なければ次に誰かが犠牲になるかもしれないという恐れの間で苦しみ、勇気をふりしぼって警察に届け出ても、しばしば訴追は行われず、あるいは著しく軽い処分しかなされず、そして非常に多くの場合、誹謗中傷に苦しむことになる。本書は、被害者や家族へのインタビュー、裁判の傍聴などを通して、被害者が正義をかちとることがなぜこれほど困難なのかを明らかにしていく。 筆者が強調するように、レイプとは見ず知らずの男に暴力的に襲われることである、行為を本気で嫌がっているなら大声で助けを求めるものだ、相手をその気にさせておいて拒む女に責任があるといった「レイプ神話」は、アメリカでも日本でも、多くの性暴力被害者を沈黙させ加害者を無罪放免にしてきた。特にミズーラのような町で、人びとが誇りとするような優秀なアメフト選手を性暴力加害で訴える被害者たちは、前途有望な青年たちの将来を破壊する加害者のように扱われてしまう。 このような性暴力被害をとりまく人々の関係や感情を生き生きと描き出す一方で、本書があきらかにしようとしているのは、性暴力を裁く司法制度の問題であるということは明確に意識されておくべきだ。刑事司法手続きとは根本的に国家対加害者の問題であって、被害者の権利保障は優先事項ではないということが、特に偏見にさらされやすい性暴力被害者たちを非常に苦しめることになってきた点は、日本も同様である。 しかし、日本とアメリカとの間の法・実践における重要な違いは無視できない。そのひとつは、明確に合意のないセックスは性暴力なのだということが、少なくとも法規範上は明確にされているという点だ。一緒の部屋でビデオを見ながらいちゃついているうちにレイプされてしまった事件など、日本の刑事手続きではあくまで加害者の主観が判断基準とされているがゆえに、訴追される可能性は最初からほぼ排除されてしまうだろう。この違いが、正義を求める個々の被害者たちにとってもつ意味が決して小さくないことは、本書を読むとよくわかるし、日本でもまずは「合意なき性的接触は性暴力だ」という原則を法原則に位置付けることがなによりも不可欠だとあらためて思う。 さらに、アメリカ司法省が、各州の検察局による訴追実践や警察による捜査実践を組織的にモニタリングし改善を促すメカニズムを持っていることが、問題を改善していくうえで非常に重要な役割を果たしうることがわかる。これは日本においても重要なヒントになるはずだ。また、アメリカのキャンパスレイプほどではないとはいえ、日本でもキャンパスセクハラは重大な問題になっており、刑事司法とは異なる基準から、被害者の権利保護に重点を置いた調査と処分のメカニズムをどのように機能させるのかも非常に参考になる。 本書が日本語に翻訳紹介されたことは意味があるけれど、性暴力の問題に関心があっても刑事訴追の基本的なしくみであるとか、日米の重要な制度上の違いについては知識のない読者が少なくないだろう。せめて訳者解説の中でもかんたんに解説をつけておくべきだったと思う。そこはかなり残念。

Posted by ブクログ

2017/12/09

ふたりは小学校1年生の時からの付き合いだった。同級生だが、女性は 男性を兄のように思い、男性もまた女性を妹のような存在と思い、お互 いの家族のこともよく知っていた。 長じて男性は大学のアメリカンフットボール・チームの花形選手となり、 女性も彼の才能の開花を我がことのよう...

ふたりは小学校1年生の時からの付き合いだった。同級生だが、女性は 男性を兄のように思い、男性もまた女性を妹のような存在と思い、お互 いの家族のこともよく知っていた。 長じて男性は大学のアメリカンフットボール・チームの花形選手となり、 女性も彼の才能の開花を我がことのように喜んでいた。 だが、ある夜を境に仲の良い幼馴染みのふたりは被害者と加害者として 対立する関係へと大きく変化した。 性的暴行事件の80%以上は見知らぬ相手ではなく、顔見知りによる犯行 だという。本書がメインで扱っている事件も幼馴染みの男女の間に起き た事件だ。 このふたりの事件を中心に据え、アメリカ・モンタナ州の第2の都市 ミズーラのモンタナ大学アメリカンフットボール・チームの選手たちが 絡んだいくつかの事件を追っているので、少々話が入り組んでいる。 だが、共通するのは被害者が言葉に尽くせない苦しみを抱えていること だ。事件を自分の責任だと感じ、自分を責め、「あれはなかったこと」 だと思い込もうとする。 それが心理的にも被害者を追い詰める。そして、性的暴行の相手が地域 が注目し愛する大学のスポーツ・チームの一因であることから、加害者 側の言い分のみを盲信し、被害者が誹謗中傷される。 読んでいてムカムカして来る。加害者の擁護者や弁護士は加害者である青年 の未来を奪うのかって何だろうと思う。被害者にも未来があるんだ。多くの 可能性があったのだ。それを奪った者の将来を考慮しろだと?性犯罪者は 性犯罪者なのだ。その罪を問わずにいたら、同じような事件が起きない 保証はない。 何も極刑にしろと言うのではない。犯した罪は罪として、償うことが肝心 なのではないだろうか。例え、彼がプロスポーツ界で活躍する可能性が 奪われようともだ。 告発した女性たちは苦しみ考え抜いて告発に至ったのだと思う。裁判とも もなれば思い出したくもない経験を証言しなくてはいけないのだから。 それでも彼女たちが声を上げたのは、自分と同じような被害に遭う人が いないようにとの思いからだろう。 大学での性的暴行事件を描いた映画のテーマ曲をレディ・ガガが歌って いるが、彼女もまら性的暴行の被害者である。「それが自分の身に起こ るまでわかるわけがないのよ」。曲の中でレディ・ガガは言っている。 「レイプなんてほとんどが被害者側の嘘だ」なんてプロパガンダを信じて いる人たちに考えて欲しい。あなたの娘が、姉が、妹が、友人が被害者 でも同じことが言えるだろうか…と。 日本でも慶応大学の学生による集団性的暴行事件があった。被害者側が 示談に応じて不起訴になったが、彼らが心から反省しているのかを問う てみたい。 尚、アメリカでは性的暴行に対する最高刑は禁固百年だとか。仮釈放なし なら刑期満了まで生存している確率は相当に低いよな。

Posted by ブクログ

2017/07/04

有力なアメフトチームを有する名門モンタナ大学で起きたレイプ事件を緻密な取材で追った一冊。著者は本書を通じて、レイプがいかに残忍な犯罪であるかを、そして、被害者を言われなき偏見や迫害に晒されるかを描き出す。 胸を締めつけられるような本書だが、被害者の訴えに疑いの目で見る人間が異性...

有力なアメフトチームを有する名門モンタナ大学で起きたレイプ事件を緻密な取材で追った一冊。著者は本書を通じて、レイプがいかに残忍な犯罪であるかを、そして、被害者を言われなき偏見や迫害に晒されるかを描き出す。 胸を締めつけられるような本書だが、被害者の訴えに疑いの目で見る人間が異性だけではなく、同性にも存在するという事実に、さらに本書を重く苦しいものにしている。 「なぜ抵抗しなかったのか」──。そんな心ない問いを被害者に問い掛ける前に読むべき本である。

Posted by ブクログ

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