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夢も定かに 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2016/10/21 |
JAN | 9784122062986 |
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夢も定かに
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商品レビュー
3.8
23件のお客様レビュー
奈良時代の宮仕えの采女、若子・笠女・春江を軸とした青春小説。十代の女の子が主人公とは言え、話は政治に情欲と生々しく実に古代らしく良い。三人それぞれキャラは立っているものの、あまり感情移入できず、小説の評価としてはまずまず。心情描写はしっかりしているが、事件に重点を置いているから...
奈良時代の宮仕えの采女、若子・笠女・春江を軸とした青春小説。十代の女の子が主人公とは言え、話は政治に情欲と生々しく実に古代らしく良い。三人それぞれキャラは立っているものの、あまり感情移入できず、小説の評価としてはまずまず。心情描写はしっかりしているが、事件に重点を置いているからか、事の重大さに比して軽い。これが当時のリアルなのかもしれないが。 各短編の中で群を抜いて好きなのが「藤影の猫」。最近よく落語をきくが、まさに落語の人情噺のような温まる落ち。不遇をかこつ采女のささやかな抵抗といたずら。籠の鳥と自身の境遇を重ねる表現に心を掴まれる。皇女目線では敵にあたる藤原房前にも人の心と流儀があり、完全な悪人ではないのも良い味となっている。
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平城京の後宮で働く女の子3人のお話。 名前に馴染みがないので馴れるまではちょっと大変だったけど、話はとにかく読みやすかった。 3人にそれぞれモデルがあるから、読了後、思わずwiki読み漁ってしまったわwww
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平安初期の後宮に仕える女官たち。 平安中期の、道長の時代辺りに材をとった小説はたくさんあるが、奈良時代を舞台にするものは初めて読む。 へえ、こんなもの食べてたんだ。 油飯って、割とおいしそう。 年老いた女官は光永寺という寺で隠居したのか。 女官の官舎に舎監がいるなんて、何か学校...
平安初期の後宮に仕える女官たち。 平安中期の、道長の時代辺りに材をとった小説はたくさんあるが、奈良時代を舞台にするものは初めて読む。 へえ、こんなもの食べてたんだ。 油飯って、割とおいしそう。 年老いた女官は光永寺という寺で隠居したのか。 女官の官舎に舎監がいるなんて、何か学校の女子寮みたいだなあ。 地方豪族の娘たちである采女たちと、都の豪族の娘たる氏女の対立なんて、いかにもありそうな…。 描かれる生活のディテールがやはり興味深い。 藤原家系譜でしか見たことのない藤原麻呂や房前。 ただの名前が、人に見えた瞬間を味わった。 本当は見目麗しい妹が采女になるはずだったのに、妊娠により「繰り上げ当選」されてしまった十九歳の若子。 官舎で笠女、春世という二人の采女と同室になる。 笠女は、能筆で、男性と張り合える知性の持ち主。 一方春世は美貌に恵まれ、大勢の男性と浮名を流している。 若子は新参で彼女たちと比べても「何もない」。 けれど、実直な勤務ぶりと持ち前の人情の厚さで、さまざまな困難を切り抜ける。 やがて、権力者である藤原房前を恋人にし、さらに彼を利用するしたたかささえ身に着けていく。 春世という人物が面白かった。 いわゆる「女の武器」を使って世渡りする女性だ。 自分の魅力に自覚的で、どう価値を最大化するかを知っている。 そのため、彼女に言い寄る男は引きも切らず、女たちは彼女を「浮かれ女」扱いし、毛嫌いする。 こんな人が身近にいたら、私も偏見を持って対するのかもしれない。 でも、この作品を読んでいると、この人のことが嫌いになれないのだ。 しかし、大貴族である藤原麻呂に生んだ息子を取り上げられ、権門に育つ幼い息子自身にも切り捨てられる。 彼女の孤独さ、悲しみにもクローズアップしているからか? この本、本当に読むのが楽しかったのだが、最後に僭越ながら苦言を。 帝の子を宿した志斐弖を、長屋王からも藤原家からも守っていかに宮中から逃がすか。 物語は緊迫し、若子は恋人の房前さえも手玉に取ることとなる。 これから、若子はどんな女性になっていくのかが楽しみになってきたところで、物語が終わってしまうのだ。 この終わり方、どこかで見たようなー。 あっ、同じ澤田さんの『泣くな道真』か!
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