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竹久夢二詩画集 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2016/09/01 |
JAN | 9784003120811 |
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竹久夢二詩画集
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商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
雑司ヶ谷霊園に眠る竹久夢二の詩をいつか読んでみたいと思っていたが、ついに読んだ。非常に優しい詩と絵が魅力的だった。
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画家で詩人の竹久夢二(1884-1934)による、詩、エッセイ、日記、そして絵画。 当時の日本社会は、第一次大戦を経て一気に近代化が進み、ちょうどモダニズム文化が都市部の中産階級を中心に浸透していた時期だろう。現代的な文化の源流としての都市文化、大衆文化、消費文化が出現した頃で...
画家で詩人の竹久夢二(1884-1934)による、詩、エッセイ、日記、そして絵画。 当時の日本社会は、第一次大戦を経て一気に近代化が進み、ちょうどモダニズム文化が都市部の中産階級を中心に浸透していた時期だろう。現代的な文化の源流としての都市文化、大衆文化、消費文化が出現した頃である。そのような時代状況のなかで夢二は、少女雑誌に詩や挿絵を発表したり美人画や書籍の装丁に広告デザインさらには童謡を手掛けたりと、当時勃興しつつあった新たなメディアを舞台に多方面の活躍をしており、いまでいうマルチクリエイターのような存在だったのかもしれない。 少女の恋の物悲しさ、わけもなく漂う憂愁や寂しさ。そこには現実の生々しさや泥臭さはほとんど感じられず、少女期の内面に独特の透明で消え入りそうな浮遊感がある。短い詩句は不必要に多くのことを語らず、その余韻が詩集に特有のページの余白に広がっていくようで、すると、人間というのは、一切に先立って、ただ哀しみのうちにあるような気がしてくる。 詩では「けふ」「終」「こころ」「風の散歩」「捨身」がいい。挿絵では冒頭「(波は)」のものが好きだ。「けふ」(p107)を引いておく。 きのふのための悲しみか 明日の日ゆゑの侘しさか きのうもあすもおもはぬに この寂しさはなにならむ。 「清く悲しくあるべし。悲哀を謀殺してはならない。孤独を暗殺[かえりう]ちにしてはならぬ。聖なる神に裏ぎってはならぬ」(1915年9月21日の日記、p290)。 □ 「私の画は決して人に見せる為のものではなかった。ただ自分の感興を記録するために、あらゆる形式の中からこれを択んだのである。それでただ描いておればいい、それが総[オール]であった」(『中学世界』1910年6月10日、p216)。 腹を括った当事者だけが到り着く、この潔さがいい。 □ 「おれはとてもだめだ。もっとフレッシュな新しい生々しい感覚が感じられないものかしら、これでは 今、筆をとって絵を描いたとて、当今の日本の画工諸君以上の見方も描方も出来はしないだろう、もっと驚きたい、もっと痛感したい、[略]。恋人があった頃には月はもっと美しかった、もっと絶対だった、私はそれが悲しい、恋人がないのよりは、月に狎れたのが悲しい、おれの芸術はどこにあるのだろう」(1910年8月21日の日記、p286-287)。 「善いことを望んでいながら、なんにもしない。ただその日その日のために日を暮している。そして望んでいることの果されない不安と悔とに責められる良心の反逆を晦ますためにいろいろな刺激を求める。[略]。しかしやはり退屈だ。酒をのんでもすっかり酔うことは出来ない。一杯声をあげて唄うことも出来ない、女に溺れることも出来ない。やはり善良で弱い自分の心へかえってくる。そして善良さに徹底することの出来ない自分を見る。強く生きてゆく自分を見出すことも出来ない。さりとて弱く溺れてゆくことも出来ない、中途半端な所にいる。毎日こうした倦怠をつづけている」(1917年5月21日の日記、p291)。 いま以てこれは自分の姿。
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竹久夢二の詩やエッセイが収録されている1冊。なので、文庫の割に厚みがある。 夢二といえば、美人画とかモガのイラスト、作詞もやってたっていう事くらいしか知らなかったけど、そもそもは書きものをして生きていこうとしていたらしい。自分の感覚や感情をイラストにするっていうのは、自分が創...
竹久夢二の詩やエッセイが収録されている1冊。なので、文庫の割に厚みがある。 夢二といえば、美人画とかモガのイラスト、作詞もやってたっていう事くらいしか知らなかったけど、そもそもは書きものをして生きていこうとしていたらしい。自分の感覚や感情をイラストにするっていうのは、自分が創作する動機と似たものがある。似て非なるものかも知れないけど、太宰の言う自分の身から出たものだけを表現したいって感じ? エッセイでは色彩や被服、イラストレーションそのものについて、本当に真剣に考えてたんだなとか。印象深かったのが、関東大震災の後の話。東日本大地震の時も、直接被害に遭っているわけでは無かったけど、先の見えなさとか怖さで、自分の見えている色がモノクロだったな。色彩が輝き出すのは自分の身の安全、安心が見えた時。マズローの言う欲求の階層まさにそのものだ。 それから、モデル娘の話も興味深かった。まー乙ゲーとかでよくありがちな設定だろうけど、現実の創作家は個の人間として見ちゃあいないんだなー。
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