千早さんはそのままでいい(2) ジャンプC

くずしろ(著者)

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2016/10/04
• JAN: 9784088808154

商品レビュー

2016/11/13

ダイエット宣言をしたのに目の前でトンカツを食べる幼馴染。一口ぐらいならかまわんという彼の言葉にカツをパクリ。飯も美味い←幼馴染のをパクって食ってましたわ（笑）

2016/10/31

以前、私はジャンプＳＱを読む理由の一位になっている作品は、城戸みつる先生の『ハッピーミリィ』だ、とここに記した
それは変わっていない。だが、この『千早さんはそのままでいい』は二位ないしは同率一位にするに値する好感度だ
そして、私がこれまで読んできた、くずしろ先生の連載作品、『姫のためなら死ねる』や『犬神さんと猫山さん』を越え、最も好きな四コマ漫画、となった
タイトルの『千早さんはそのままでいい』、これは正に主人公である志真の本音をストレートに表している
しかし、私は、『千早さんを好きな志真くんはそのままでいい』と、タイトルが変わっても、作品の本質を的確に表現するな、と思っている
この四コマ漫画は、痩せたいと思いつつも、自分の底知れぬ食欲に抗えず、美味しい物を堪能してしまう女子の可愛さは正義である、と訴える一方で、そんな女の子に恋愛感情を抱いている男子もまた可愛く、愛でたい対象だ、と言っているようにも感じる
要するに、くずしろ先生は、少年よ、自分の嗜好を偽ることなかれ、と応援したいのだろう
当たり前だが、この四コマ漫画はくずしろ先生にしか描けまい
面白さ云々もそうだが、衝動に屈した屈辱感と背徳感を抱える美少女の食べる様を、こうもエロく描ける漫画家はくずしろ先生がトップだ。エロい食べ方と言えば、高田サンコ先生の『たべるダケ』も印象的だが、こちらは我慢していない事に加え、大人の女の色気もあるので、比較対象にはしづらいな、と個人的に思った
適正体重を維持しておけば、好きなモノを我慢せずに食べる事ができる、とは思うので、ダイエット自体は止めない。だが、痩せる事で損なわれる魅力は確実に存在する
千早さん本人の意志はともかく、志真くんと同じで、私も彼女はそのままでいい、と思う。好きな男の子の趣味に合わせるために努力する女子が多い中、千早さんは「そのままでいい」と言ってくれる幼馴染みがいるって幸せに気付くべき、いや、気付いているからこそ、それに甘えて堕落しちゃいけない、と己を戒めているのか？
ストーリーのラブコメ感が、グルメ要素により加速されているトコが実に好い。千早さんの淫靡な食べ方でなければ、心にダメージを負い過ぎていた
さっさとくっつけよ、と思う一方で、正直すぎて素直になり切れない、この二人の中途半端な距離感を、今しばらくは楽しんでもいいな、と思える作品だ
この台詞を引用に選んだのは、志真くんの千早さんへのキモチくらい、強く同意したいので。どうしてなんですかね、食べちゃいけないタイミングで食べちゃった食べ物が美味しいのは。禁忌と言う名のスパイスは、誰にも取り締まれないな