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「建築」で日本を変える 集英社新書0848
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「建築」で日本を変える 集英社新書0848

伊東豊雄(著者)

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「建築」で日本を変える 集英社新書0848

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2016/09/16
JAN 9784087208481

「建築」で日本を変える

¥220

商品レビュー

3.7

8件のお客様レビュー

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2024/10/05
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※このレビューにはネタバレを含みます

第1章 都市を向いた建築の時代は終わった p.21 自然と言えば、下町を中心とした水との関わりを見逃すこともできません。現在の東京にようにレインボーブリッジがかかり、浜辺が護岸されて工場や相互が立ち並ぶ無味乾燥なものではなく、隅田川などの川辺では、手を伸ばせばすぐに水面に触れられるような親しさがあったのです。 p.33 今までの東京の街づくりの基本構想は明治期以降も受け継がれていました。ところが最近は、まるで江戸以来の歴史や文化、自然との調和、近隣との繋がりを打ち消すように、この都市が持っていた親しみやすい庶民性や身体感覚を希薄化させて、技術に頼りきった高精度で人工的な空間にすり変えようとしています。 第2章 近代主義思想を超えた建築は可能か p.46 人びとは自我を備えた「個」を確立することによって、中世以来ヨーロッパを覆っていた圧倒的なキリスト教の支配から解放されて野生を尊重する近代世界へ移行しました。これを受けて「個」の集合体である「都市」も変貌を遂げていきます。かつて人々は共同体という古い形の人間関係の中で、その一員として生きていました。それが自己を確立し個人を主張するようになると、共同体から独立して1個人が都市に集まり、市民社会を形成するようになります。 p.47 それが明治維新を経て第二次世界大戦後、一気に近代化が進むと、人びとは新しい職業を得るため、地方を離れて1個人としての暮らしを求めて東京へ、大都市へと大勢が移動してきました。対する大都市も戦後の行動経済成長を支える人材の大半を地方に求めたのです。 第3章 地方から発信する脱近代建築 p.85 空間と人を結ぶという意味でも、インテリアや家具はとても大切です。建築において、柔らかや温かさと行った身体感覚は、実際に手に触れたり、腰掛けたりするものに影響をするからです。 第4章 建築の始源に立ちかえる建築 p.101 誰もが責任を回避し、リスクを負わない社会になると、夢を描くこともできないし、格別なことではなく当たり前のことをやった方がいいということになってしまいます。実際に、世界の建築はますますそういう方向に進んでいるし、特に日本では顕著です。 第5章 市民が考える市民のための建築 p.149 敷地が松本市の中心部になるため、カフェやレストランを含んだ商業的機能や、新聞社ならではのコミュニケーションっ機能を持たせたいとのことでした。そのためにコミュニティや商業施設に詳しい専門家に加わってもらい、市民とのワークショップを通して建物の中身を検討したいという要望がありました。そこで私たちは、コミュニティデザイナーの山崎亮さんを推薦し、さらに山崎さんから商業施設の専門家を紹介してもらって、かつて経験したことのないプロジェクトをスタートしたのです。 第6章 歴史文化に根ざした建築 p.174 水戸市民にとって「みんなの家」のよつに愛着を感じる建築を作っていくための手がかりを求めて、私たちは、水戸を象徴するような、あるいは水戸のみなさんの心の拠り所になっているものは何なのだろうかと調べることから始めました。 第7章 みんなの建築 p.187. 日本ではアトリエ派の建築家はひたすら追い詰められた状況にあって存在理由がないところまで来ています。経済合理性を求める建築ならば、大手の設計事務所なゼネコンの設計場の方がクライアントの言いなりですからリスクは少ないですし、安心安全な建物ができるからです。 p.192 「ぎふメディアコスモス」に関しても、かつて本やデジタル化されて図書館は必要なくなると議論された時期がありました。しかし実際にオープンすると、子どもからシニアまでたくさんの人たちがやってきて、特に対話するわけではないのに、微妙な距離感を保ちながら本を読んだり、昼寝をしたりしています。それは近代主義建築が人と人とのつながりを断ち、人々を小さなゲージに閉じ込めてきたことの反動でもあります。目にも言えないコミュニティ大して、目に見える場、人と人とのつながりを体感できる場所をつくっていくこそが、これからの建築の使命です。

Posted by ブクログ

2021/12/10

岐阜メディアコスモスを作った人の本。 東京の魅力がなくなってきている。なぜなら、自然や土地に何も配慮しない建築をしているから。今こそ、自然や土地に合わせた建築をするべき。それを実現させた4つのプロジェクトがあり、その一つがメディアコスモスである。空気の流れや光の入り方などに配慮し...

岐阜メディアコスモスを作った人の本。 東京の魅力がなくなってきている。なぜなら、自然や土地に何も配慮しない建築をしているから。今こそ、自然や土地に合わせた建築をするべき。それを実現させた4つのプロジェクトがあり、その一つがメディアコスモスである。空気の流れや光の入り方などに配慮して設計してあり、地域密着型の建築ができた。

Posted by ブクログ

2021/04/01

伊東豊雄さんの建築への眼差しが強い言葉で表現されている一冊。 地方からコミュニティを通じて建築を考える。近代主義建築の言語ではない新たな言語の再構築。 これからの建築家に求められる職能が明言されている。

Posted by ブクログ