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さすらう者たち 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2016/09/06 |
JAN | 9784309464329 |
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さすらう者たち
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商品レビュー
4.1
8件のお客様レビュー
文化大革命後の中国で、紅衛兵だった29歳の女性が処刑されるところから物語は始まる。 市井に生きる人たちの感情や生活が、仔細に淡々と描かれていて、時代を知る、時代の犠牲者になった人たちを知る、っていうペシミスティックな目線に立っているんじゃないところが、この小説の特長だと思う。 ...
文化大革命後の中国で、紅衛兵だった29歳の女性が処刑されるところから物語は始まる。 市井に生きる人たちの感情や生活が、仔細に淡々と描かれていて、時代を知る、時代の犠牲者になった人たちを知る、っていうペシミスティックな目線に立っているんじゃないところが、この小説の特長だと思う。 自分が知らない時代の、土地の話になると、歴史ものだと思ってその中に出てくる人たちを遠くに感じがちなんだけど、それが本望でないっていう著者の思いがこもった筆致でした。 ああ、みんな、自分とおんなじ人間だって思う。 こういう小説を読んで、出てくる人たちを自分の身近に感じて初めて、歴史に起こった事実とかを本当にきちんと学べるようになる気がします。 面白かった! 462P 2016.9
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※このレビューにはネタバレを含みます
ほぼ覚えていなかったから再読 舞台は文革時の中国。反革命分子として処刑される女性がおり、彼女が暮らした街の住人達が、処刑を中心にぐるぐると回っていく感じ。 でも文革も中国も超えて、普遍的な人間の愚かしさや、人生のままならなさの話。 失うものがある人は、綺麗事ばかりでは生きていけない。綺麗事を言って胸を張れるのは、周りに守られているか、無知だからだ。 何も持たない人だけが、こころ安らかに生きていける。でも、好きで物乞いをしているわけではないし、彼らも苦痛を経験している。 登場人物がみな人間臭くて、みっともなくて、非常に面白かった。
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誰かが加害者の一面しか持たないことはないし、被害者の一面しか持たないこともない、ということが徹底されていると感じた。 それまでの価値観が揺らぎ始めたとき、その価値観を維持するか捨てるかで、生活がガラッと変わるかもしれない恐ろしさを垣間見た。 フランス革命とかロシア革命とか、歴史...
誰かが加害者の一面しか持たないことはないし、被害者の一面しか持たないこともない、ということが徹底されていると感じた。 それまでの価値観が揺らぎ始めたとき、その価値観を維持するか捨てるかで、生活がガラッと変わるかもしれない恐ろしさを垣間見た。 フランス革命とかロシア革命とか、歴史では淡々と習うけれど、この作品の登場人物のように、どちら側につくべきか、恐れたり迷ったりした人がいたのかな。 幸せな物語でも温かい物語でもないけれど、食べ物の描写だけは温かさを感じられて、どんな状況にあっても、ひとは食事によって多かれ少なかれ希望や幸せを感じられるのかなと思う。 最近河出文庫が好き。 河出文庫の取り扱いが多い本屋さんを見つけるとすごく嬉しい。
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