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逆転の大中国史 ユーラシアの視点から
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2016/08/01 |
JAN | 9784163905068 |
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逆転の大中国史
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商品レビュー
3.2
6件のお客様レビュー
目鱗、というほどでもないが、東アジア、ユーラシアの歴史の中心は、「シナ」ではなかったよという話。 むしろ広大な草原を舞台にした、自由で強力な遊牧民、狩猟民族が活力の中心で、歴史を動かしてきた。 では「シナ」の漢民族はどうかというと、本来の漢民族はすでに滅んでいるのが妥当らしいのだ...
目鱗、というほどでもないが、東アジア、ユーラシアの歴史の中心は、「シナ」ではなかったよという話。 むしろ広大な草原を舞台にした、自由で強力な遊牧民、狩猟民族が活力の中心で、歴史を動かしてきた。 では「シナ」の漢民族はどうかというと、本来の漢民族はすでに滅んでいるのが妥当らしいのだが、とにかく、その遊牧民たちに、小突かれまくってた一民族に過ぎない。 いい感じの時代の「シナ」は、殆どが「異民族」によるもので、「俺たちは偉大なんだ、なぜなら偉大な筈だからだ。だから間違ってるのは歴史と事実であり、正しいのは俺たちなんだ」という痩せた自意識が中華思想となった。 宋の時代に、確かに素晴らしい発明をしているのだが、それはもう、小さなエリアで「漢民族」だけがまとまっているときで、沢山の民族、地域、文化を束ねるのは無理みたい。 なるほどなあ。 黄河文明にもつながらないらしいし。 なんで今、ブイブイ言わせてるんだろうね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ユーラシア、特にモンゴルからの視点で中国史を俯瞰する。 歴代王朝で漢人が建てたのは漢と明のふたつだけだとする。(宋はあくまで地方政権) 城壁を築く漢人は閉鎖的、遊牧民は開放的である、漢人の文化は現在の中国にとど持っているのに対して遊牧民の文化ははるかユーラシア大陸に広がっている、中華思想は異民族に侵略され続けた漢民族のコンプレックスであるなど、内モンゴル出身の筆者は漢族と遊牧民を対比させ、遊牧民の優位性を説いているが、それは中国、漢人を意識せざるをえないことを思わせ、逆にその影響力の大きさを感じさせる。 (中国、漢人の文明の同化力の大きさは本書でも言及されている) 本筋とは関係ないが、筆者が北京の大学で学んだ、最後の科挙に合格した進士の教授のエピソードが強烈。四書五経をはじめ、歴代の詩文をすべて暗記し、ゼミで紙媒体を用いたことは一度もない。 記憶の中の漢文古典以外は読むに値しない。 1918年以降に成立した言文一致の中国語で書かれたものは「文章ではない」。 (その教授曰く、周代の漢字には統合性がなくなっていたので、秦による文字の再統一が必要だった)
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世界史で習う中央アジア史は薄い。中国視点での、匈奴は時々やってきて中国の国土を荒らして去っていく無法、無頼の民。ヨーロッパにとってのダッタン人、日本から見た元寇も同じ。 しかし、彼らは、突然、現実世界がAlternate Universeと繋がって向こう側からやってきたわけではな...
世界史で習う中央アジア史は薄い。中国視点での、匈奴は時々やってきて中国の国土を荒らして去っていく無法、無頼の民。ヨーロッパにとってのダッタン人、日本から見た元寇も同じ。 しかし、彼らは、突然、現実世界がAlternate Universeと繋がって向こう側からやってきたわけではなく、ずっとそこにいて、彼らなりの営みをしていたわけだから、彼ら視点で歴史を語りなおせば、ユーラシア大陸史は、違ったものに見えるはず、というのは正しい。 唐や、元、清は、そもそも純粋に漢民族の国ではなく、中央アジア国家的な面を持っていたという指摘も、きっと正しい。 しかし、それが、読んでいてワクワクに繋がらないのは、せっかく中央アジア視点と言いながら、中央アジアの通史ではなく、やっぱり中国時代区切りで、中国周辺の国(遼とか夏とか金とか)を扱ってしまっているからじゃないかと思う。 読んでも、中央アジアのダイナミックな通史が浮かび上がってきたりはしないんだよね。どの民族がいつ、どこで、誰とどう関係したかとかもよくわからない。(多分、ほんとに中央アジア史を書くには史料が不足しているのと、いきなり日本人相手にそのような語り口にすると、付いてこられる人がいないからかと思う) また、積年の恨みもあるんだろうし、ちょっとやそっとでは、中国エライ、周辺蛮族のイメージは覆らないからというのもあるんだろうけど、兎に角中華=漢は良くないというので、プロパガンダっぽく見えてしまうのよね。 中央アジア史は、よく知らないけど、そっちの視点も大事よということを教えてくれたという点は良かった。 王昭君の墓って、モンゴルに伝わってるんですね。 毛沢東が晩年は不老長寿を求めていて、中国人の根本的な宗教感は道教という話は面白い。
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