![プルートピア 原子力村が生みだす悲劇の連鎖](https://content.bookoff.co.jp/goodsimages/LL/001871/0018718652LL.jpg)
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プルートピア 原子力村が生みだす悲劇の連鎖
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2016/07/01 |
JAN | 9784062199995 |
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プルートピア
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「プルートピアが地元に人気のあるのは、選ばれた労働者のための政府補助金によって生活水準を際限なく上げ、消費財を増加し、拡張し続ける経済をもたらしたからであった」?。 著者は米国メリーランド州立大学の歴史学の教員。ソ連のオジョルスクは資本主義的ミドルクラスの生活にあこがれ、アメ...
「プルートピアが地元に人気のあるのは、選ばれた労働者のための政府補助金によって生活水準を際限なく上げ、消費財を増加し、拡張し続ける経済をもたらしたからであった」?。 著者は米国メリーランド州立大学の歴史学の教員。ソ連のオジョルスクは資本主義的ミドルクラスの生活にあこがれ、アメリカのリッチランドはGEやAECによる全体主義的な統治を受け入れる。冷戦期に米ソそれぞれでプルトニウム生産の拠点となった街が、どうして互いに似てしまうのか。プルトニウムが地域にもたらした(かりそめの)富と豊かさを「プルートピア」と名付け、それぞれの街とその周囲の地域がたどった50年間の歴史をていねいにあとづけた大著。 原発事故以来、原発と健康とのかかわりは多く語られるようになったが、さらにもっと問題は軍事的な核と健康とのかかわりだと思っていた。ソ連のテカ川流域やムスモルヴォ、アメリカのワシントン州コロンビア川流域など、「国防」という“大義”のために、望まない被曝を強いられた人々のこと、その生のことが書き綴られた意味は重い。 著者は、〈核〉と消費主義的な核家族との連関について示唆したが、その伝で言えば、1980年代の日本は、それ自体として巨大な「プルートピア」だったのかもしれない。いまこの社会は、一度味わってしまったその「豊かさ」という麻薬の禁断症状に苦しんでいる、とでも言えばよいのだろうか? 核と国家、核と社会?核というテクノロジーが専制的な権力をいかに魅惑するかについても、いろいろと考えさせられる内容だった。
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チェルノブイリは誰でも知っているが、リッチランドとオジョルスク、というと途端に無名となる。リッチランドはアメリカ・ワシントン州東部、オジョルスクはロシア・ウラル山脈南部の、プルトニウムの街だ。ここにあるプルトニウム工場は、少なくともチェルノブイリが放出した量の2倍の放射能を周囲に...
チェルノブイリは誰でも知っているが、リッチランドとオジョルスク、というと途端に無名となる。リッチランドはアメリカ・ワシントン州東部、オジョルスクはロシア・ウラル山脈南部の、プルトニウムの街だ。ここにあるプルトニウム工場は、少なくともチェルノブイリが放出した量の2倍の放射能を周囲に放出したそうだ。それなのに。 プルトニウム供給のために、処理工場だけでなく、住まい・買い物・学校・娯楽などもあわせてプログラムされていた。労働者階級でありながら中産階級のような賃金が得られる。どちらの街も、社会からは切り離されて、独特の世界を作り出している。住民もそれを望んでいるように見える。これがプルトニウムによるユートピア、プルートピア、だ。ちょっと日本でも聞いたことがあるような部分もあるが… それにしても、ロシアのオジョルスクはともかく、アメリカのリッチランドでも、私有財産が持てない、自由な出版権がない、新聞が無料で配布されてくる、など。ここは本当にアメリカか? やはりというか多くの健康被害も発生する。そういうこともひっくるめて、政治的には隔絶された独自の共同体というのは都合がよいようだ。 最後にプルートピアの問題はなくならない、として、福島第一原発事故のことが出てくる。プルートピアのパターンを踏襲している、と著者は述べる。ただ、それだけではなくて、問題を自分たちのこととして見て行動する動きが出ていることも評価されている。ここにプルートピアの壁は崩壊した、のだろうか。
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