最強の社会調査入門 これから質的調査をはじめる人のために

前田拓也(編者), 秋谷直矩(編者), 朴沙羅(編者), 木下衆(編者)

• 販売会社／発売会社: ナカニシヤ出版
• 発売年月日: 2016/07/01
• JAN: 9784779510793

商品レビュー

2021/08/05

社会調査っておもしろそう、と思わせてくれるのにはじゅうぶんでした。
質的調査の成功談失敗談など具体的で、実際に質的調査を行おうというときには参考になりそうです。
平井秀幸さんの刑務所フィールドワークの話と、強姦罪の判決文の分析を試みた小宮友根さんの話が気になった。

2020/09/23

比較的若めの（博士課程くらいの）研究者たちが実際の自分の論文の社会調査で培った体験を元にした社会調査入門。インタビュー、現場潜入、資料読み込みなどそれぞれの調査の実体験が綴られている。調査で悩んだときには参考になるかもしれない。

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思ったより面白くなかった。社会調査、というか社会学は取りに足りないことをがんばって粉飾するような学問に思えてきてしまった。うわ、あやしいし、文章下手だなあという人も多いが、中にはちゃんとしてそうな感じの人もいた。ジェンダーの人とか社会福祉系の人とかはまだまともそうだった。あとエスノメソドロジーはちょっとおもしろそう。まあ、自分が本当に質的調査をしていたら心強い本なのかもしれないなとは思う。

2019/08/27

最強の名は伊達ではありませんでした。本書は初学者フレンドリーな構成になっています。

たとえば，自分の調査の仕方がある程度想定できている場合（聞き取り調査をしよう），それに関わるセクションを簡単に見つけることができます（「聞いてみる」を読む）。これも社会調査の手法を大まかに分類したからこそ可能なことだと思います。

また，本書にはタグというものがついています。【こんなとき，こんな人に読んで欲しい！】という各章の分類です。たとえば1章「昔の（盛ってる）話を聞きにいく」であれば，「身近な人を扱いたかったら」「途中で「問い」を見失ったら」というタグがついています。このタグが秀逸で，自分の知りたいことが漠然としか思いついていなかったとしても，このタグを頼りに本書を読み進めることで，「自分もこの調査がしたい！」と思える可能性が高まると思います。まさに面白くてマネしたくなる。このような入門書は（浅学ではありますが）初めて見ました。

本書には特設サイトや，テキストデータも用意されており，多くの人にとってフレンドリーな書籍だと思います。
「自分で研究を始めなければならない，でもどうやって始めればいいかわからない」という人にオススメの書籍です。