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駆け込み寺の男 玄秀盛 ハヤカワ文庫NF
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駆け込み寺の男 玄秀盛 ハヤカワ文庫NF

佐々涼子(著者)

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駆け込み寺の男 玄秀盛 ハヤカワ文庫NF

定価 ¥748

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2016/08/06
JAN 9784150504748

駆け込み寺の男 玄秀盛

¥440

商品レビュー

3.8

11件のお客様レビュー

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2025/02/20

佐々涼子(1968~2024年)氏は、早大法学部卒、専業主婦として2児を育てつつ、日本語教師等を経てライターになった、ノンフィクション作家。2012年、『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』で開高健ノンフィクション賞、2014年、『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本...

佐々涼子(1968~2024年)氏は、早大法学部卒、専業主婦として2児を育てつつ、日本語教師等を経てライターになった、ノンフィクション作家。2012年、『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』で開高健ノンフィクション賞、2014年、『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』でダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR第1位等、2020年、『エンド・オブ・ライフ』で本屋大賞ノンフィクション本大賞を受賞。 2024年9月、悪性脳腫瘍のため死去。享年56。 本書は、新宿歌舞伎町に「日本駆け込み寺」を設立し、長年代表を務める玄秀盛氏について、本人及び多数の関係者に行った取材をまとめたもので、2011年に出版、2016年に加筆・修正・改題の上、文庫化された。 私はノフィクション物を好み、佐々さんは好きな書き手の一人で、『エンジェルフライト』、『紙つなげ!~』、『夜明けを待つ』、『エンド・オブ・ライフ』を読んできた。 私はこれまで(不覚にも)玄秀盛氏のことを全く知らず、本書については、他の作品と比べてやや地味に見えたこともあって、読むのを先延ばしにしていたのだが、読み始めてみると、第一印象とは全く異なり、テーマ(要するに、玄秀盛という人物)にも、佐々さんの取材や書き振りにも惹き込まれ、一気に読み切ってしまった。 その玄秀盛氏とは。。。1956年、大阪市西成区の在日韓国人の家庭に生まれ、両親の離婚などで4人の母、父のもとで育つ。中学卒業後は、自動車修理工、寿司屋、トラック運転手、キャバレー店店主などを経験し、更に、40代までに、建設、不動産、サラ金など10を超える会社を起こした。その間、ヤクザとの抗争も絶えなかった。1990年に天台宗の酒井雄哉大阿闍梨のもとで得度。2000年に白血病を発症する可能性のあるウイルスに感染していることがわかり、上記のビジネスを全て止めて、2002年にNPO「日本ソーシャル・マイノリティ協会」新宿救護センター(後の「日本駆け込み寺」)を開設。2014年に「再チャレンジ支援機構」を設立。 「日本駆け込み寺」では、DV、金銭トラブル、家出、ストーカーなどの相談、刑務所出所者からの相談に対応し、これまで数万人以上を救ってきたという。また、「再チャレンジ支援機構」では、刑務所出所者が働く居酒屋の経営ほか、出所者の就労支援などを行っている。 それにしても、壮絶な人生である。。。玄氏は、自分のことを「ひとつのイメージで描くことを、かたくなに拒んだ」というが、宜なるかなと思う。佐々さんは、「彼は、悪人であり善人、被害者であり加害者。捨てられた子どもであり捨てた親でもある。・・・玄秀盛は、この世のどんな人間模様も映し出すひとつの鏡でしかないのだ。他人や自分に対するイメージなど、どれもがつかのまのもので、一時のまやかしであっる。我々はほんの小さなできごとや、他人の無意識の言動によって、容易に誘導され、世間や他人によって、思い込まされてしまうニセモノを本物のように思っている。そして、そのイメージを、あたかも本物のように、後生大事に死守しようともがいている。」と書いている。どんな人間でも「善」と「悪」の両面を持っている、玄氏はそのことを常人の想像を超えて体現しているのだ。 そして、佐々さんは次のように加える。「もしも過去を捨て、他人へのものの見方や、自分へのものの見方、周囲の評判や、地位や名誉を捨ててしまうことができさえずれば、あとはただ、そこに自由な人間がいるだけだ。間違ったり躓いたりしたら、もう一度選択しなおせばいい。そうすれば、何にでもなれるし、どんなところへでも行ける。新しくやり直すことも、人生に感謝することもできる。そう玄は説いているのである。」 もうひとつ。本作品は佐々さんの出世作(実質デビュー作に近い)となったわけだが、「おわりに(文庫版のために)」の中にこんなフレーズが出てくる。「何度怒られただろう。しかし強烈なダメ出しをされながら、辛抱強く話を聞かせてくれた彼の懐の深さが、離れてみた今ならわかる。・・・彼が私を作家にしてくれたのだ。」ノンフィクション作家・佐々涼子を作った一冊でもある。 (2025年2月了)

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2024/09/05

 佐々涼子さん、9月1日に悪性脳腫瘍のためご自宅で永眠されたとニュースで知りました(享年56歳)。ショックでした。『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』『エンド・オブ・ライフ』『ボーダー 移民と難民』と読み、どの作品...

 佐々涼子さん、9月1日に悪性脳腫瘍のためご自宅で永眠されたとニュースで知りました(享年56歳)。ショックでした。『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』『エンド・オブ・ライフ』『ボーダー 移民と難民』と読み、どの作品も読み応えのある素晴らしいものでした。一昨年の年末に、悪性脳腫瘍であることを公表し、その後『夜明けを待つ』を発表されこちらも読ませていただいています。「ああ、楽しかった」と言える人生だったかな…でも、ご自宅で最期を迎えられたのは、佐々涼子さんらしいと感じました。  で、こちらの作品は未読でした。いつか読もうと思っていたのですが、追悼読書になってしまいました…。この作品は、新宿歌舞伎町で「日本駆け込み寺」という機関を立ち上げた玄秀盛さんがDV・借金・不倫・家庭崩壊など様々な問題に対して相談援助活動を行うものです。なぜ、彼は様々な問題に的確なアドバイスを行えるのか…それは玄秀盛さんの生い立ちから今までの経験に基づくものでした…。  この表紙の方が玄秀盛さん、強面で迫力ありそうな感じですよね…。その過去は壮絶なもので、私の理解の範疇を超えたものだったし、読みにくさを感じてしまいました。でも、その見た目通り、頼り甲斐はあるし相談者に対して見せる優しさやアドバイスは的を得ていました。佐々涼子さんがノンフィクション作家を名乗る原点というべき作品、この作品を描けたから、その後素晴らしい作品を世に出せたんですね…。今後佐々涼子さんの新作を読めないのは残念ですが、謹んでご冥福をお祈りします。

Posted by ブクログ

2024/08/07

ノンフィクションライター佐々涼子氏のデビュー作であり、歌舞伎町で駆け込み寺を運営した伝説的な漢のドキュメント。 あまりにも壮絶な人生のため、ノンフィクションとしての作品っぽくなく、また、主観的にしかまとめざるを得ない感じ。もちろん相当に引き込まれる内容である。

Posted by ブクログ