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週刊誌記者近松門左衛門 最新現代語訳で読む「曽根崎心中」「女殺油地獄」 文春新書1085
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2016/07/01 |
JAN | 9784166610853 |
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週刊誌記者近松門左衛門
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週刊誌記者近松門左衛門
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内容(「BOOK」データベースより) 「日本のシェイクスピア」「作者の氏神」と讃えられる近松門左衛門。その実像は、事件と聞けば現場に駕籠で駆けつける、今でいえば週刊誌のエース記者のような存在だった。なぜ近松はいつも新しいのか?日本人なら押さえておきたい人気の二作品で俗の極致に酔う...
内容(「BOOK」データベースより) 「日本のシェイクスピア」「作者の氏神」と讃えられる近松門左衛門。その実像は、事件と聞けば現場に駕籠で駆けつける、今でいえば週刊誌のエース記者のような存在だった。なぜ近松はいつも新しいのか?日本人なら押さえておきたい人気の二作品で俗の極致に酔う。
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近松門左衛門といえば、「日本のシェイクスピア」とも称される江戸期の戯作者である。 浄瑠璃・歌舞伎の作品を数多く書き上げ、現在でも上演されるものも数多い。 本書はその近松の代表作「曽根崎心中」と「女殺油地獄」の現代語訳を主軸とし、謎多き近松の人物像や、演者から見た近松作品解釈も添え...
近松門左衛門といえば、「日本のシェイクスピア」とも称される江戸期の戯作者である。 浄瑠璃・歌舞伎の作品を数多く書き上げ、現在でも上演されるものも数多い。 本書はその近松の代表作「曽根崎心中」と「女殺油地獄」の現代語訳を主軸とし、謎多き近松の人物像や、演者から見た近松作品解釈も添える。 訳はフリー編集者として古典芸能を中心に舞台芸術関連書籍の編集や執筆に携わる小野幸惠。監修は近世演劇が専門の鳥越文蔵。 帯の「近松の全貌と魅力がこの一冊でわかる」は少し威勢がよすぎる印象だが、「近松を現代人にも読んでもらいたい」とする著者の意図は十分伝わる、良質の入門書だと思う。 個人的に心中物にはあまり興味が持てないのだが、先日「女殺油地獄」をシネマ歌舞伎で見て何だか引っかかった。この話、妙にざわざわするのだ。 何やら色っぽいタイトルだが、実はこの話、色恋沙汰では一応ない。キレた若者・与兵衛が親切な人妻・お吉を惨殺する話である。 与兵衛の家もお吉の家も油を商う商家である。故あって、お吉に借財を申し込んだが断られた与兵衛が、商売物の油を撒き散らしながら、血まみれ油まみれで凄惨な殺しに至ってしまう。この殺しの場が「見せ場」だというのもまぁ凄いのだが、私が引っかかったのは、その手前。与兵衛とお吉の人物像である。 お吉は美しい女だが、3人の子持ちで物堅い。与兵衛の家とはごく近所で、同業でもあり、それなりに親しい。与兵衛は父を早くに失い、店を守るべく、番頭が与兵衛の母の婿となった。ややこしい家庭の事情もあってぐれた与兵衛は放蕩三昧である。義父は亡き主人への恩もあり、与兵衛をどうにかまともにしたいとの思いもある。母は夫への遠慮と息子かわいさの板挟みである。お吉はそのあたりの事情も十分に知っている。近所のよしみもあり、弟のような年頃の与兵衛が困っていれば助けてやりたいし、自分も子持ちの身であれば与兵衛の両親の嘆きにも共感する。冷静に考えれば、親切なお吉が殺されるというのは実に理不尽だ。 だが、与兵衛は、お吉に借金を迫り、どうやら脈がないとわかってくると、次第に鬼気帯びてくる。お吉の亭主の留守に上がり込んだ与兵衛は、あれこれとかき口説いた挙げ句、「亭主の留守に金など貸せない」と突っぱねるお吉に「不義になって貸してくだされ」と言い放つのだ。この後、諦めたふりをして「それならば油を貸してください」とお吉を立たせ、こっそり殺してしまおうとする与兵衛を、近松は 消ゆる命の灯火は 油量るも夢の間と 知らで升取る柄杓取る 後ろに与兵衛が邪見の刀 抜いて待てども見ず知らず と名調子でつないでいく。ことここに至っては、お吉は助からない。 観客にもじわじわと悲劇が避けられないことが呑み込めてくる。 見知らぬ者同士ではない。微妙に近い2人の年齢差。堅いとはいえ美しいお吉。放蕩息子だが、どこかにかわいげのある、上方流の優男、与兵衛。 この2人の関係性には、どこかに「不義」の言葉が忍び込む余地が「ある」ような気がしてざわざわするのだ。 もちろん、お吉に非はない。だがどこかに「隙」はあったのかもしれない。そんな「隙」に、不本意ながら命を奪われることもあるのは、昔も今も同じこと、なのかもしれない。 近松は元々は武士の家の出である。経歴には謎も多いが、むしろ、戯作者としては謎の人物であることもプラスだろう。ともかくも浄瑠璃界や歌舞伎界の立役者とのつながりをバネに一大作家となった。 そんな近松は、事件と聞けば駕籠で乗り付け、熱心に取材していたという。心中事件の現場に駆けつけ、菰から覗く白い足に衝撃を受けて一気に書き上げたのが「心中天の網島」だというエピソードが紹介されている。 これを本書の著者は「週刊誌記者」のようと評しているわけだが、どうも「女殺油地獄」を読む限り、やはり近松は記者というより作家であったのではないかと感じる。スクープである「文春砲」ではない。実際の事件に取材したうえで、ねっとりと背景を描きこむ小説仕立ての「黒い報告書(週刊新潮連載)」の方を連想させる。 近松恐るべし。ここに描かれているのは、「現代に通じる」というような生易しいものではなく、古今東西変わることのない「人の性」であるようにも思われる。
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【近松門左衛門は週刊文春のエース記者だった!?】心中事件があったと聞けば駕籠で駆けつけ、翌週には舞台にかける。現代語訳「曽根崎心中」「女殺油地獄」で俗の極致をご堪能あれ。
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