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一冊でまるごとわかるローマ帝国 だいわ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 大和書房 |
発売年月日 | 2016/07/12 |
JAN | 9784479306030 |
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一冊でまるごとわかるローマ帝国
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
突然ですが、人はなぜ歴史学ぶのでしょうか。 私は、歴史の流れに人間の典型を見ることができるから、だと考えます。 現代に生きる我々ですが、対人関係に悩んだり、いがみ合ったり、恋したり、諸々のことに思い悩むのは今も昔も変わりません。先が見えない未来への対処に悩んだとき、過去にも類似のことがあったと推測するのが自然だと思います。つまり、歴史の中に「模範解答」を見出そうとするのではないでしょうか。 そう考えるならば、本作で描かれるローマ帝国の歴史は、人間とは何かを学ぶ上ではうってつけの教材であると思います。「正解」「不正解」かは別として、それはもう多くの解答例を得られるはずです(大部分、微妙だとは思いますが笑)。 作中に登場する皇帝らは個性があり、わがままで、時に名君であり、時に暴君であります。困難ななかで物事を成し遂げたりする一方、わかりきった倫理の前で敢えてその正解を選べなかったりする点で、これらの皇帝らは非常に人間的であると感じます。 例えば、古代ローマの英雄として名高いカエサル。ハゲの女たらし。結婚しているのに、エジプト遠征でクレオパトラと恋に落ちてしまう。さらにクレオパトラとの子を時期皇帝にしようとしてブルトゥスに暗殺される。 例えば、皇帝アウグストゥス。ローマに平和をもたらしパクス・ロマーナを作り上げた彼。公私の別をしっかり分け、大いに部下に施しを行う一方、情事のうわさが絶えることがなかった(P.114)。彼もまた血のつながった子供を何とか皇帝位につけようとして娘のユリアに三度も結婚を繰り返させます。 例えば暴君として名高いネロ。16歳で帝位についた彼は、セネカをそばにおき、当初は善政を敷く。しかし権力の全能感からか、次第に周囲を遠ざけ、母を殺し、妻をあやめ、そして、多くの市民を殺してしまいます。 こうした例から、人間の本性とは性悪であると安易に帰納する向きもあることでしょう。また、地位の力が人の心を腐らせると主張する事も出来るでしょう。あるいは、子孫への渇望は2000年も前からあったのであり、親が結婚はまだかとか孫の顔が見たいとかいうのも致し方ないと納得された向きもあることでしょう(ありません)。 いずれにせよ、本作では、地位があっても(ある故に)顔をのぞかせてしまう人間的特性や弱さ、特に性欲や名誉欲、嫉妬深さや猜疑心、そして血族維持への渇望などを露わな形で見ることができます。他方、理性や信念の固持によって清廉さを保てた例もまたみることができます。謙虚で欲を欠き、忠実に上司を支え市政に尽くしたアグリッパやマエケナスらに、人間がよりよく生きられるという可能性を見出すことができるとおもいます。 ・・・ まとめますと、非常に面白い作品でした。当初は世界史を深く学ぶために購入したのですが、むしろ考えは人間とはなにか、とか、人の進歩とはどういったものなのかとか、そうした思いへ私を導いてくれました。こう書いていて、R・ドーキンスの「利己的な遺伝子」をふとも思い出しました。その考えは端的に言えば、人間の意志などは存在せず、我々はヒトという「種の保存」のプログラムにただ乗せられているだけ、というものです(20年以上前の記憶につきうろ覚え)。 人間とは実にふしぎな生き物だなあと改めて思った次第です。
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ローマ帝国の歴代皇帝が紹介されている。優れた者、人格者、暴君、浪費家など様々な皇帝が登場する。最後は混ざりあってしまった感じだ。 骨肉の争いが多く、夫婦間、親子間の殺害もあったようだ。
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