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「みっともない」と日本人 日経プレミアシリーズ
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「みっともない」と日本人 日経プレミアシリーズ

榎本博明(著者)

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「みっともない」と日本人 日経プレミアシリーズ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本経済新聞出版社
発売年月日 2016/07/08
JAN 9784532263133

「みっともない」と日本人

¥220

商品レビュー

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2017/04/09
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※このレビューにはネタバレを含みます

<この本にキャッチコピーを付けるなら?> 「日本人の感受性がグローバルな世界を救う」 <こんな人にお勧め> 日本的な価値観が批判されている現状で日本人であることにやりきれなさを感じている人・・・とは言え、露骨な「日本人って良いよね!」という主張も何だかなぁと感じている人。 そんな人にお勧めです。 <この本の気になった言葉> 1)日本人は「個」の世界を生きているのではなく「間柄」の世界を生きている。 2)日本では謝罪と責任が分離されており、欧米では謝罪は処罰につながるが、日本では「許し」につながる。だから日本人は自分に非がなくても、相手の気持ちや立場を思いやって謝ることができる。 3)理屈では何も解決しない。本当に理屈で解決するのなら戦争にはならない。 <感想> いわゆるグローバル社会の中で「はっきり物を言わない」「自己主張ができない」「すぐに謝る」などなど、「これだから日本人はダメなんだ」としてよく言われる日本人的な特性。 でも、冷静に考えるとこれってそんなに悪いことでしょうか? 著者はそうではないのだと反論します。 「はっきり物事を言う」「強い自己主張」「謝らない」・・・これらが良いことだというのは欧米的な価値観であって、我々日本人までがそれに染まる必要はない、と。 どういうことか。 例えばその価値観の違いが表れている例として、言語の違い・・・その中でも「私」を表す言葉の違いを取り上げます。 英語では「I」の一語でいつの時代でも、どんなシチュエーションでも「I」は「I」です。 一方日本語では「私」の他に、「僕」「俺」「私(わたくし)」あるいは現代ではほぼ言いませんが「拙者」「妾(わらわ)」、また子供や孫に対しては「お父さん」「お母さん」「おじいちゃん」「おばあちゃん」など様々な一人称があります。 さらに、そういった主語がなくても会話が成立する場合が多いのも日本語の特徴です。 筆者はここに「どんな時も自分の意見を主張する欧米人」に対して、「自分が何者であるかは状況や時代、相手との関係性の中で千変万化する日本人」という対比を見出します。それは他者と切り離された「個」を生きる欧米人と、他者との関係性つまり「間柄」で生きる日本人という社会との関わり方の現れと言えます。 これは「私」という言葉だけでなく、日本語という言葉全体にいえることで、私たち日本人が大切にしていることが個の主張ではなく、相手の立場を尊重してその意見をくみ取りつつ、自分の意見との折り合いをつけられる形で自分の主張をすることだということを表しています。 こういう姿勢は「日本人は主体性がない」という言葉で非難されますが、筆者は積極的な関わり方が重要となる今の世界では、むしろこの姿勢こそが他者との共生、異文化との共生という意味でこれからの時代に非常に適しているのではないかと説きます。 ここからは私の考えですが、ここ暫く「日本人的価値観」に対して2つの考え方が広まっていると思います。 一つは、グローバリゼーションの拡散とともに、欧米の価値観や考え方が進んでおり、日本人が遅れているかのような風潮。そしてもう一つは、それに対して「いや、日本の価値観こそが優れているんだ」という日本の良さを再認識しようという風潮です。 私は後者の考え方ですが、とは言え何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」。巷で散見されるような「実は日本的な価値観こそが優れている」というような行き過ぎた考え方はどうかと思います。 どちらが優れているというような話ではなく、この本で筆者が説くようにお互いが違う文化であり、それぞれ尊重し合うべきであることをしっかり理解すること。その上でお互いが共生できる道を探っていくことこそが重要ではないでしょうか。 そして、その共生の道を探るのに相応しい方法を、我々日本人は先人たちが蓄積してきた日本的価値観の中に持っています。当たり前ぎてなかなかその事に気付くのは難しいですが、今一度そのことを思い出してこれからの時代を生きる方策を一人ひとりが見つけていくべきではないでしょうか。 そんな”近すぎて分かっていない”日本人的価値観を再認識するには良い本ではないかと思います。

Posted by ブクログ

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