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文系のための環境科学入門 新版 有斐閣コンパクト
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文系のための環境科学入門 新版 有斐閣コンパクト

藤倉良(著者), 藤倉まなみ(著者)

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文系のための環境科学入門 新版 有斐閣コンパクト

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 有斐閣
発売年月日 2016/06/01
JAN 9784641174238

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2018/11/03

「全員が喜ぶ環境対策は存在しない」…俗な言い方をすれば「あちらを立てればこちらが立たず」とでも言おうか。 私たちは今までは公害対策で見られるように、1つの原因を突き止めてその対策を立てるという、いわば対症療法でも済ますことができた。しかし、この本で多くの事例として示されているよう...

「全員が喜ぶ環境対策は存在しない」…俗な言い方をすれば「あちらを立てればこちらが立たず」とでも言おうか。 私たちは今までは公害対策で見られるように、1つの原因を突き止めてその対策を立てるという、いわば対症療法でも済ますことができた。しかし、この本で多くの事例として示されているように、これからの環境対策は複数の要因からなる原因不確定な現象が相手だ。それは人間生活により排出される二酸化炭素などのガスを原因とする地球温暖化現象に象徴されている。 地球温暖化と一般的に称される“気象変動”現象は、データ観測結果や積雪の減少等の現象からも、現実のものとして進行が生じているのは明らかである。 人類は未来を守るため早急に対策を立てなければならない。それは誰もが認めるところだろう。しかし、すぐさま何とか手を打つべき地球温暖化対策に関して、著者は「市民や政治家の理解を得ることは容易でない」と話す。 著者はその原因を簡潔に以下の4点に集約してくれている。 ①温暖化の要因は人間の活動以外にも火山活動や太陽の活動などの他の要因が複雑に絡まり、要因を絞ろうにも科学的不確実性を伴うこと ②二酸化炭素が地球を暖めている原因とする科学的知見は出されてはいるが、そのメカニズムを“素人”が理解するには難しく、ゆえにその関係性を科学的に理解できている市民はごく少数であること ③二酸化炭素の増加による現在直面する被害の実感が、大きな形ではないこと ④決定打となる防止対策がなく「わかっちゃいるけど、やめられない」状態になっていること しかし危機感が迫っている一方で、私は環境科学というものに、一種“面白さ”も感じた。なぜならば、今後AIの急速な発達によって、既存の研究の領域の多くは人間からAIにとって代わられると考えているからだ。しかし環境科学のように複雑な要因が絡まる分野の研究こそが、AIなんかでは太刀打ちできず、人類に残された研究領域ではないか。 この本では、環境科学について、アップトゥデイトな項目を広く抽出し、系統立てて、かつ、使用する言葉をできる限りシンプル化しているので、専門外の私でも苦もなく読み終えられた。 文系出身の私としては、この本は環境科学というだけでなく、“歴史学”“経済学”の本として読み進められたということも書いておく。 最後に、環境対策のあまりの複雑さに、人類は解決の道筋を本当に見つけられるのかという不安に陥るかもしれない。 特に最近の世論やメディアに見られるように「わかりやすい結論」「一見正しいけど、多角的な視点からの検証を欠いた結論」によって、深く考えずに即答を求める風潮に乗っかっている者には、この本からは自分の満足する解答は得られないかもしれない。 しかし、目先の考えで結論を出そうとせず、絡まる糸を少しづつほぐすように複雑な要因を根気よく解こうとする熟慮ある者であれば、この本から多くの含蓄を見いだすはず。それは文系も理系も関係ない。 それと、私は現在も多くで見られる、経済的負担が生じることへの言い訳や、意味のない現状肯定とによって、「将来なんとかなるだろう」とでも言うような惰性で環境負荷を垂れ流しながら生きることを良しとしない。 この本の読了後、その思いは改めて正しいのだとの認識を強くした。今は全部はできなくても、今の時点で少しずつ出来ることを考えることが、今は道筋が不鮮明であっても、ケルンを形成する一石となりうるはずである。 実際、「第7章フロン」では、夢の物質と呼ばれ日本をはじめ世界中で使用が当たり前とされていたフロンが、多くの科学者や技術者の努力によって市場から消え、オゾン層の消失をくいとめるまでに至ったのだから。

Posted by ブクログ

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