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古森のひみつ 岩波少年文庫617
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古森のひみつ 岩波少年文庫617

ディーノ・ブッツァーティ(著者), 川端則子(訳者)

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古森のひみつ 岩波少年文庫617

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2016/06/01
JAN 9784001146172

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商品レビュー

3.6

10件のお客様レビュー

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2024/10/27

人間と言葉を交わす動物たちや、木の精霊、風などファンタジックでユーモラスな要素が多く、不気味さは少なめ。だが、以前読んだ『タタール人の砂漠』のように、戻ることなく進み続ける時間と、その中で否応無しに変わっていく人間の哀愁が描かかれている。 死に対する寂しさや切なさを孕んだ雰囲気は...

人間と言葉を交わす動物たちや、木の精霊、風などファンタジックでユーモラスな要素が多く、不気味さは少なめ。だが、以前読んだ『タタール人の砂漠』のように、戻ることなく進み続ける時間と、その中で否応無しに変わっていく人間の哀愁が描かかれている。 死に対する寂しさや切なさを孕んだ雰囲気は、どこか晩年近くに書かれた短編を思い出させるものだった。しかし同時に、物語の中に徐々に優しさが満ちていき、爽やかな気分で読み終えることが出来た。児童書の大きい文字で300ページ無いので、3時間くらいでさらっと読めたのもよかったなと思う。

Posted by ブクログ

2023/02/07
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※このレビューにはネタバレを含みます

先日の『タタール人の砂漠』が面白かったので、そういえば岩波少年文庫にもブッツァーティがいたような、、、とおもい、これを借りてきた。 舞台は1925年の北部イタリア。約百年前。 読み始めてすぐ、なんか不穏な世界、自然の強さ、軍隊系で我の強い不思議なキャラたち、孤独とともに居ること、、、これだ〜、本当にタタール人の砂漠と同じだ〜、これcvブッツァーティだわ間違いないわ、となった。 後書きにもあるように、キャラクターたちの言動が一貫しておらず、でもそこに違和感もなく、むしろ人間味があるな、、、となる。 普通にいけば、主人公はベンヴェヌート少年で、彼の成長譚がメインになるんだろうけど、この作品では主役は最強人間のプローコロ大佐だし、脇キャラでも善人ぽい風のエヴァリストではなく、ワガママな風マッテーオのほうに遥かに作者の愛が込められている。 プローコロのラスト、マッテーオとベンヴェヌートの別れシーン、神秘的で面白い。 ネズミの話、影の話、5人の悪夢の話は消化不良だったけど、寄生虫シーンの迫力は忘れ難い。

Posted by ブクログ

2018/02/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

モッロの遺言により厳格なプローコロ大佐と大佐の甥のベンヴェヌートが、彼の遺産として広大な森を譲り受けたが、大佐の取り分には数百年も伐採を行っていない古森が含まれていた。木の伐採を進め、あわよくば甥を亡き者にして彼の財産まで我がものにしようと企てる大佐だったが、この森で木の精を見、風の言葉を耳にする。大佐は彼らと取引したり利用したりしながら我欲を満たそうとする。 不思議な生命の宿る古森を舞台に、人間と木の精、風、動物、影などのいきもの(!)のさまざまなやりとりを描くファンタジー。 この支離滅裂な展開はジョーン・エイキンを連想させます。 大佐が自分勝手な人物だというのはわかるのですが、甥のベンヴェヌートの人となりが全く謎。 大佐の命令により自分を殺しに来た風マッテーオに対して親しみを示していたり、自分のいた小屋が火事になった時に、せっかく抜け出せたのに帽子を取りに戻っていたり(201頁「3度目でした。」の記述は謎)、その後咳こみたくなってもそんなそぶりを周りの少年たちには隠していたり。 前半、木の精として精力的に活動していたベルナルディも、後半はすっかり影が薄くなって、特に理由もなさそうなのに物語への影響がなくなってしまいます。 不思議な展開ばかり続くので、もちろん不思議な雰囲気は十分に漂いますが、感情移入もできず、ただ筋を追うだけ読書になってしまいました。 私には、マザーグースな隠喩のようにも見えず、ただただ気まぐれな物語でした。 ここからは自分の覚書 言葉の上でも、奇妙な点がいっぱい。 まず、先にあげた201頁。 何が3回目なのかわからない。 その他に大きいところでは、 241頁「……大佐はシャベルを肩にかついで、軍人らしい断固たる大股でゆっくりと歩いて行きました。遠くから見たら、けんめいに骨を折って進むその姿は、だれにでもセバスティアーノ・プローコロだとはわからなかったでしょう。」 何故?軍人らしい大股で歩いていたのに、プローコロ(大佐のこと)とわからなかったの? これらの疑問は翻訳にありそうです。 https://booklog.jp/users/akiyoshiuta/archives/1/4885880904 東宣出版より出されている長野徹訳のもの「古森の秘密」は文章が違います。 161頁 「三度炎の中に入った。」 なぜ帽子を取った後もう一回入ったのかは書かれていませんが、3度目なのは炎の中に入ることだったとわかります。 193頁 「……大佐は肩にシャベルを背負ってゆっくり歩いた。遠くからでは、雪の中を苦労しながら懸命に進んでいるのが、日頃は軍人らしく大股にきびきびと歩くセバスティアーノ・ブローコロだとはわからなかっただろう。」 これなら納得できる文章です。 イタリア語はわかりませんが、けっこう解釈で訳が変わるものなんですね。

Posted by ブクログ

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