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逆転裁判例にみる事実認定・立証責任のポイント
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 税務研究会 |
発売年月日 | 2016/06/01 |
JAN | 9784793121852 |
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逆転裁判例にみる事実認定・立証責任のポイント
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本書では、数々の著名な難事件において、東京国税局の担当官という立場で国側代理人を務めた百戦錬磨の著者が、近時の国側敗訴判決について詳細な分析を施している。内容的にかなり難易度が高めで通読がきつかったが、著者の力の入れ具合が伝わる意欲作であった。国側敗訴事案の研究に興味のある方は一...
本書では、数々の著名な難事件において、東京国税局の担当官という立場で国側代理人を務めた百戦錬磨の著者が、近時の国側敗訴判決について詳細な分析を施している。内容的にかなり難易度が高めで通読がきつかったが、著者の力の入れ具合が伝わる意欲作であった。国側敗訴事案の研究に興味のある方は一読あれ。 P153 税務調査があり更正処分等が行われそうになると住所(原則的な納税地)を変更し、更正処分等をする権限のある税務署長を変えてしまうというような、事実上の課税逃れ事案に対しては、更正処分等を行う際の処分権限ある税務署長の確認について慎重な姿勢が求められよう。 P278 最高裁の考える通達の性質 各税法において通達が定められているが、通達は、行政法の世界では、国家行政組織法14条に根拠をもつものであり、行政庁の長がその所掌事務に関して、所管の諸機関や職員にした指示であり、法規範ではないとされ国民や裁判所を拘束しないとされている。 租税法の執行に際し、国税職員が通達の定めを直接的な根拠として、課税処分を行っていることを捉えて、かつては、その法規範性が論じられた。 最近の裁判例では、通達を改正することなく、通達の定めに基づかない課税処分の適法性が問われている事例が見られる。 商取引の多様化や法制度の頻繁な改変や複雑化に通達の改正が追いつかず、通達に基づいて租税法規を執行したのでは、明らかに不合理な結果となってしまうという事例が存在していることも否定できない。 しかしながら、納税者の視点に立って考えてみると、課税庁のする租税法の解釈に基づいた申告をしようと、納税者は通達を研究している。 課税庁から予期せぬ課税処分を受けて、加算税や延滞税を払いたくないという意識が、そのような納税者の行動の動機になっているとしてもそのような動機を持つことは、何等非難されるべきことではない。 そのような視点で考えると、課税庁において、通達に基づいた申告について、当該通達に反する課税をすることは、課税庁の公表した通達を尊重し、これに基づいて申告をしようとする納税者の信頼を裏切る行為である。納税者の予見可能性、法的安定性の観点から好ましくない課税であるといえるのではなかろうか。 通達の定めが実際の取引に即さないのであれば、まず、通達を改め、そのことを明らかにした後に、その改正に基づいた執行を行うべきであろう。その際にも、改正された通達が明らかになる前に、改正前の通達に基づいて行われた申告について過少申告加算税を賦課することも避け られるべきであろう。 課税庁の公的な見解は明らかにされた通達であり、それに反した執行は、どこまでも、行政庁の長の指示である通達に反した執行であるとい うべきではなかろうか。 「課税庁が従来の取扱いを変更しようとする場合には、法令の改正によることが望ましく、仮に法令の改正によらないとしても、通達を発するなどして変更後の取扱いを納税者に周知させ、これが定着するよう必要な措置を講ずべきものである。」という最高裁の判断は、今後変更されることは考えずらく、課税庁はこれを念頭に、通達の制定·改正、法の執行を行うべきものと思われる。
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