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兵隊になった沢村栄治 戦時下職業野球連盟の偽装工作 ちくま新書1191
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2016/06/01 |
JAN | 9784480069009 |
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兵隊になった沢村栄治
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商品レビュー
3.6
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沢村栄治の軍隊時代の評伝を彷彿とさせる表題だが、そうではなく、1936年から1945年の戦前・戦時期における日本プロ野球(当時は「職業野球」)の戦争協力と協力を偽装した「抵抗」を、職業野球連盟の動向を軸に描いたノンフィクションである。沢村をはじめとする選手よりも連盟の理事らの動...
沢村栄治の軍隊時代の評伝を彷彿とさせる表題だが、そうではなく、1936年から1945年の戦前・戦時期における日本プロ野球(当時は「職業野球」)の戦争協力と協力を偽装した「抵抗」を、職業野球連盟の動向を軸に描いたノンフィクションである。沢村をはじめとする選手よりも連盟の理事らの動きがメインなので、沢村目当ての読者は肩透かしを食うかもしれない。主に学生野球の戦時下の動向を取材した山室寛之『野球と戦争』(中公新書)とは相補関係にあると言える。 選手の徴兵逃れのために夜間大学に在籍させたり、大学生の兵役猶予停止=「学徒出陣」でその方法が使えなくなると今度は工場徴用に潜り込ませるなど、選手の生命を守ろうとする「抵抗」は興味深いが、直接つぶされる前に先手を打って「許容範囲」内の戦争協力を自発性を装って行うというのは、翼賛体制下の典型的ななし崩し的戦争協力の常道で、本書が評価するほど「美談」ではない。ナショナリズムを前提とする同調圧力と「忖度」がはびこる日本社会の現況を考慮すると、妥協的・折衷的な「抵抗」自体の限界と危険をもっと追究する必要があろう。なお、すでに戦前においてさまざまな問題で東京巨人軍(現在の読売ジャイアンツ)の独断専行ぶりが垣間見えるのも注意を引いた。
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沢村栄治といえば、「昔、大活躍したが、戦争で亡くなった投手」くらいしか知らなかったのですが、3度も出兵していたとは…。戦争で投手としての腕を見込まれ、手榴弾を投げ続けたことにより肩を痛め、軍隊生活により心身ともに兵隊として作り変えられたことにより、野球に復帰後は以前の豪速球は見ら...
沢村栄治といえば、「昔、大活躍したが、戦争で亡くなった投手」くらいしか知らなかったのですが、3度も出兵していたとは…。戦争で投手としての腕を見込まれ、手榴弾を投げ続けたことにより肩を痛め、軍隊生活により心身ともに兵隊として作り変えられたことにより、野球に復帰後は以前の豪速球は見られなくなり、成績不振で野次を飛ばされ…というエピソードを読むと、沢村賞の重みをズッシリ感じた。副題である職業野球の誕生や、昭和19年の11月まであらゆる策略で野球が続けられた背景に多くのページを使われていた。
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