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〈オトコの育児〉の社会学
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ミネルヴァ書房 |
発売年月日 | 2016/05/01 |
JAN | 9784623076840 |
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〈オトコの育児〉の社会学
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商品レビュー
4.7
4件のお客様レビュー
本書の特徴は著者が全員、育児に関わっている(いた)父親であることである。 よってタイトルに「オトコの育児」とあるが、内容は父親に限らない。母親を含めた育児の歴史、現状や理想について、統計や言説をあたりながら考察、記述されている。 例えばベビーカーについては、畳まずに電車等に乗車...
本書の特徴は著者が全員、育児に関わっている(いた)父親であることである。 よってタイトルに「オトコの育児」とあるが、内容は父親に限らない。母親を含めた育児の歴史、現状や理想について、統計や言説をあたりながら考察、記述されている。 例えばベビーカーについては、畳まずに電車等に乗車することが公的に認められたのはつい最近で、 ”国土交通省は2013年から2014年にかけて「公共交通機関等におけるベビーカー利用に関する協議会」を設置し、「交通機関内でベビーカーをたたまずに乗車することを基本的に認める指針」が示された。” とある。 一方、本書の問題点は「育児に関わっている父親」である著者が、全員「大学教員」という特殊な職業に就いていることである。 よって、一般のサラリーマンと異なる感覚が元になって記述されているように思える。 資料や社会学の本としての価値は高いが、「一般の父親の感性に基づいた生々しさ」では『妻に言えない夫の本音』(朝日新書)が優れている。
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子どものために、日本人男性が何を考え、どう行動しているのかが分かる本。 現在は大学で教鞭をとる15名の執筆陣が、自らの体験談をもとに、それを社会学的な手法で分析・発展させている。 「習うより慣れよ」 これが日本の子育てや仕事の底流にある考えなのだと、この本を読むことで更に強く感...
子どものために、日本人男性が何を考え、どう行動しているのかが分かる本。 現在は大学で教鞭をとる15名の執筆陣が、自らの体験談をもとに、それを社会学的な手法で分析・発展させている。 「習うより慣れよ」 これが日本の子育てや仕事の底流にある考えなのだと、この本を読むことで更に強く感じた。そして、「慣れる」ほどの時間を費やさない・費やせない現代の子育て環境の中で、その心意は何処に生まれるのだろうか、と。 私としては、本書の中で例示されたような、『競争の激化を肌で感じる』父親が子育てや教育へ参加する姿や、『家事をきっちりしてきりきりするか、家事を手抜きしてにこにこするか』と子どもに問う母の姿など、家族で自分の強み・弱みを伝え合い、コミュニケーションすることに、その答えがあると思う。
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本書は育児に対して社会学的にアプローチするものである。 第Ⅰ部は第1章から4章で夫婦間の育児、第Ⅱ部は第5章から8章で親子間における育児、第Ⅲ部は第9章から終章(第14章にあたる)もので社会における育児について考察する。 全てにおいて、「けいけんする」「ひろげる」「かんがえる...
本書は育児に対して社会学的にアプローチするものである。 第Ⅰ部は第1章から4章で夫婦間の育児、第Ⅱ部は第5章から8章で親子間における育児、第Ⅲ部は第9章から終章(第14章にあたる)もので社会における育児について考察する。 全てにおいて、「けいけんする」「ひろげる」「かんがえる」「ふりかえる」からなり、執筆者本人の体験から育児を考えている。 そのため、似たような題材を扱っていても育児を通して人間や社会の多様性が浮き彫りになる。 社会学の教科書としての使用にも耐えうるよう、アリエス、ミード、ハーバーマス、デュルケム、ゴフマン、フーコーなどが登場する。 それぞれの詳細はまた別の教科書に譲るとしても、この学者たち、そしてその理論は過去ではなく今に生きている!と興奮した。 知らなかったことも多かった。 フレーベルが幼児教育に関わる人名であり、出版社の「フレーベル館」に結びついた時は体が震える興奮であった。 この知識が結びつく瞬間というものは何物にも代えがたい。 性別役割分業、ベビーカー論争、子育て支援、育児雑誌、ライフイベント、社会規範.......。 どれも興味深く、こういった視点から育児を見たことがなかったので、とても新鮮だった。 本書はテキストとして耐えうる作りではあるが、非常に読みやすい。 何より<オトコ>と名打つことで男性諸氏にとっても手に取りやすいのではないだろうか。 こうしなければ、という説教めいた作りではない。 男性だからこその視点、論理展開は、男女ともに良い「育児本」にもなりうるだろう。
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