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西洋医学が解明した「痛み」が治せる漢方 集英社新書0832
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西洋医学が解明した「痛み」が治せる漢方 集英社新書0832

井齋偉矢(著者)

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西洋医学が解明した「痛み」が治せる漢方 集英社新書0832

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2016/05/01
JAN 9784087208320

西洋医学が解明した「痛み」が治せる漢方

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商品レビュー

3.7

3件のお客様レビュー

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2024/07/17

著者は医師の井齋 偉矢氏(1950ー)です。 本書は著者が実践する、漢方を現代医学的に使いこなす方法を紹介したものです。 井齋氏は北大卒業後、消化器外科でキャリアを積みます。 漢方は92年から独学で実践し、2012年には「サイエンス漢方処方研究会」を設立して理事長を務めています...

著者は医師の井齋 偉矢氏(1950ー)です。 本書は著者が実践する、漢方を現代医学的に使いこなす方法を紹介したものです。 井齋氏は北大卒業後、消化器外科でキャリアを積みます。 漢方は92年から独学で実践し、2012年には「サイエンス漢方処方研究会」を設立して理事長を務めています。 漢方は伝統的に、体質や主訴に対応する漢方薬を処方する「方証相対」で運用されてきました。 著者は現代医学を学んだ医師が使いやすいように、生理学の観点から処方する「サイエンス漢方」というものを提唱しています。 本書はこの考え方を説明していました。 井齋氏は漢方薬の基本機能を現代医学的に翻訳し、次の4つで分類していました。  清熱→抗炎症  活血→微小血管障害の改善  利水→水分布の偏りの改善  補陽→体熱産出 こうした概念を、実際の症例を交えながら解説していました。 伝統的な漢方理念が巧みに現代医学に翻訳されていて、実践的な内容となっていました。 伝統理念とは異なりますが、興味深いものでした。

Posted by ブクログ

2022/03/20

難解で摩訶不思議な理論が障壁となっていて、本来は有用な漢方薬をサイエンスの観点で処方しよう、という考えを述べた本。一般向けよりは、やや専門的でしょうか。 医療に対して完全な素人だと、自分の症状も誤解しそうなので、巻末に載っている医師リストの先生に伺ってみるといいかもしれません。 ...

難解で摩訶不思議な理論が障壁となっていて、本来は有用な漢方薬をサイエンスの観点で処方しよう、という考えを述べた本。一般向けよりは、やや専門的でしょうか。 医療に対して完全な素人だと、自分の症状も誤解しそうなので、巻末に載っている医師リストの先生に伺ってみるといいかもしれません。 前半は、漢方薬とはという基本的な話で、その歴史がもう医薬品開発でいう、phase 1~3までは完了している、という指摘はその通り。確か、一番新しい処方の漢方薬ができたのが、1000年前だというのをどこかで聞いたことがあります。なので、有効性・安全性は歴史が証明しているといっても寡言ではないでしょう。ただし、漢方薬にあった症状を正しく診断できたら、という条件が必要ですが。 後半は、こむら返りには芍薬甘草湯とか、ぎっくり腰(腰部筋膜腰痛症)にも芍薬甘草湯とは効きますよ、と症状と漢方薬名の対比がたくさんあり、個人的にはサイエンス漢方をいうのであれば、もう少し薬品名を少なく、その作用機序(前半に痛みに対する記述はありましたが)を掘り下げて欲しかった。 人が病気になって、その症状が出たときに4つに大別する考え方「免疫賦活・抗炎症」「微小循環障害」「水分分布異常改善」「熱産生」自体は面白くて、ピンポイントに作用させる西洋薬とは共存できるというのはその通りだと思います。 面白いかったんだけど、不完全燃焼ということで、少し評価は低め。 ということで肩が凝ってきたので葛根湯を飲みたいと思います。 (ホントこれ効きます。肩こりに。風邪には効きませんよ)

Posted by ブクログ

2018/10/10

『漢方というと,現代医学とはまったく異なる摩訶不思議な医術と思っている人も多いと思います。それはとりもなおさず,従来の漢方では,「陰陽五行説」に代表される東洋医学の難しい理論を,伝家の宝刀として振りかざしてきたからにほかなりません。』と言う切り口は、面白い。なんとなく、感じてる胡...

『漢方というと,現代医学とはまったく異なる摩訶不思議な医術と思っている人も多いと思います。それはとりもなおさず,従来の漢方では,「陰陽五行説」に代表される東洋医学の難しい理論を,伝家の宝刀として振りかざしてきたからにほかなりません。』と言う切り口は、面白い。なんとなく、感じてる胡散臭さを、一気に攻めこむ。そして、対峙するのが「サイエンス漢方」と立場をはっきりさせる。 サイエンスになるためには、現代医学にのっとり、サイエンスになるためには、検証できなければならないし、再現性が必要であるとする。 「西洋薬と異なるのは、薬剤の形が少量の多成分の集合体であり、その多成分が一斉に、または時間差で体に作用することによって、体内の複雑で動的なシステムが応答する。 そして、痛みというのに対して、漢方薬がどう効くのかを説明している。 発痛物質(ブラジキニン、セロトニン、ヒスタミン、アセチルコリン)は、神経の末端にある「痛み信号変換装置」であるポリモーダル受容器を刺激し、そこで生み出された痛み信号が、脊髄から大脳皮質に伝わり、痛みとして認識される。 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、痛みを引き起こす物質を作り出すシクロオキシゲナーゼという酵素を抑え込む。炎症の最終段階をブロックして、痛みを和らげる。 急性の痛みには対応する。慢性の痛みは、違った治療法がいる。 鎮痛剤トラムセット、リリカを使って処方する。 身体の中で起こっている異常な状態を根底から正常に戻して行くことで、結果的に痛みが消える。 手術の後の腸閉塞対策には 大建中湯。 脳神経外科では、脳浮腫に、五苓散。 日本のヒットは、エキス剤である。エキス顆粒、細粒、カプセル、錠剤。 現在では、18社が製造している148処方が薬価収録されている。 大建中湯は、サンショの主成分サンショールがすぐさま血中に入る。ショウガの主成分ジンゲロールが、徐々に血中に入る。 人参は、腸管側から作用している。 「人参は入らない」と言っているが、人参が入るわけない。 人参の主成分が書かれていない。 少量の化合物(言葉の使い方がよくない)がたくさん集まると、明らかな薬効を発揮する。そのメカニズムを考えるほうが賢明である。 そこで、薬が効くのか?ということは、どういうことかを考察する。 一つ一つの成分を分析するのではなく、それがまとまって体に入った時に、応答としてどういうものが出てくるのか?と見ることが必要だという。 漢方薬は、平常状態への修復能力。自分の力で治しているんであって、漢方薬はその助けをしている。 身体のシステムの変調を病態と呼び、その病態をターゲットにしたのが漢方薬。 漢方薬は、炎症、微小循環障害、水分分布異常、熱産生障害に効果を発揮する。 4つの病態+心理的要因が深く関わっている。 漢方薬を西洋薬と同じサイエンスの土俵にあげる。 どうも言っていることが、自己矛盾してきているような気がする。 そして、西洋医学の考え方で、漢方薬を処方する。 なるほど、自己矛盾の本質がここにあるわけだ。 病態ー応答ーキモー病名 記しているが、どうも西洋医学の土俵には載っていない。 つまり、相変わらず 経験則の説明になっている。 ふーむ。サイエンスを語りながら、サイエンスになり得ていない現実が面白い。

Posted by ブクログ

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