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我が詩的自伝 講談社現代新書2364
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2016/04/01 |
JAN | 9784062883641 |
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我が詩的自伝
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
吉増剛造を知らなかったことを後悔した。 こんな自伝は空前絶後だ。 言葉を求める詩人の呻くような自伝であり、 ブラジル人の夫人に出会わなければ自死していたであろう男の極限の叫びが響き渡る。 詩人というのは、魂の表現者なのだ。 心の底、海の底、夢の底まで潜り、始原としての言葉を紡ぎ...
吉増剛造を知らなかったことを後悔した。 こんな自伝は空前絶後だ。 言葉を求める詩人の呻くような自伝であり、 ブラジル人の夫人に出会わなければ自死していたであろう男の極限の叫びが響き渡る。 詩人というのは、魂の表現者なのだ。 心の底、海の底、夢の底まで潜り、始原としての言葉を紡ぎ出し、それを表現(読み、叫び、叩き、色彩)するのだ。 彼の、哲学者と共振する姿が凄い。 哲学書を読むことの本質を教えてくれる。 知性ではなく、心(魂)で触れること。 哲学者が望むのは、こうした魂の伝達なのかもしれない。 キュルケゴール、ニーチェ、ハイデガーそしてヘーゲルとの魂の共振を楽しむ。 吉本隆明の読み方に至っては、筆写し、仮名書にし、そこから霊感を得る、という。 (この自伝を読んで、難解な本は筆写することにした。それを「写経」と読んでいる。しばらく、「写経」していると著者の魂が憑依してくるのか、次にどう展開するか分かるようになってくる) ブラジル人の夫人マリリア、島尾ミホ、荒木陽子という女性性、巫女性の根元に触れることで、この魂の表現者は、益荒男からメタモルフォーゼする。
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実に「軽い」と思う。この言葉は時に「尻軽」「軽薄」といったイメージを呼び起こしやすいが、吉増剛造の佇まいはぼくの印象ではそういったネガティブな意味を帯びない。「軽々」としたフットワークでジャンル(詩や文学といった芸術的障壁、あるいは国境)を飛び越えてしまう「軽さ」を備えていると思...
実に「軽い」と思う。この言葉は時に「尻軽」「軽薄」といったイメージを呼び起こしやすいが、吉増剛造の佇まいはぼくの印象ではそういったネガティブな意味を帯びない。「軽々」としたフットワークでジャンル(詩や文学といった芸術的障壁、あるいは国境)を飛び越えてしまう「軽さ」を備えていると思ったのだ。ゆえに彼の詩も、しかめっ面をして小難しく読むよりもぼく自身が動きながら読むべきではないかとも思う。「自伝」というには系統立てて語られたものではなく、せっかちに話題はあっちこっちに動く。これを「うねり」と読むかはあなた次第
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すごくおちゃめな人。根底に流れているのが人間肯定の気持ちだから、この人の詩は心に明るく残りつづけるのだと思う。
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