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身分違いの情姦 小笠原家の未亡人とお嬢様 フランス書院文庫
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身分違いの情姦 小笠原家の未亡人とお嬢様 フランス書院文庫

庵乃音人(著者)

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身分違いの情姦 小笠原家の未亡人とお嬢様 フランス書院文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 フランス書院
発売年月日 2016/04/25
JAN 9784829641507

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2016/05/05

名家の格式を背負った不憫なすれ違い

2015年11月発売『高慢令嬢姉妹、堕ちる』(著:鬼龍凱)という作品の帯に記された「下剋上姦」なる表現が本作第四章の章題にも用いられる程には舞台設定が似た作品。広大で巨大な小笠原家で執事として働く20歳の主人公は1人の娘(お嬢様)と1人の男(次期当主候補)に悩まされているが、それ...

2015年11月発売『高慢令嬢姉妹、堕ちる』(著:鬼龍凱)という作品の帯に記された「下剋上姦」なる表現が本作第四章の章題にも用いられる程には舞台設定が似た作品。広大で巨大な小笠原家で執事として働く20歳の主人公は1人の娘(お嬢様)と1人の男(次期当主候補)に悩まされているが、それでも日頃の鬱憤や積年の恨みを晴らすような逆襲劇でもないところに作者らしさが滲み出ており、卑劣な凌辱作品を示唆するかのあらすじはやや的を外しているようである。 18歳のメイド【佐知】 サブタイトルだと2人ヒロインのようだが実際はもう1人いる。ただし実情は母娘の2人をメインに据えつつの準ヒロインもしくは序盤のヒロインといったところか。高慢なお嬢様にイジめられても健気に仕える不憫なメイドだが、主人公への秘めた想いを糧に頑張っている。しかし、それもままならない程の酷い仕打ちを後に受けてしまい、強要されたとはいえ主人公もこれに関わっている。生娘。 18歳のお嬢様【綾子】 かつては主人公と幼馴染み同然に過ごしたこともあって内心では秘めた想いを抱きながらも主従を意識し過ぎて気安さを出せない点では不憫さも滲む小笠原家の娘。高飛車で我儘な始末に負えないセレブ女子の典型だが、主人公に向けては盛大なツンデレとの見方もできようか。これに対し、勝手に恋のライバルと目する佐知には容赦がなく、これがエスカレートして1つ目の悲劇が生まれる。生娘。 39歳の未亡人【蓉子】 綾子の母。未亡人として実質的に君臨し、神々しいばかりの美貌と魅力を放ちながらも主人公が小笠原家の「女帝」ではなく『女王』と称するのは尊大な振る舞いが皆無だからであろうか。そんな慎みと慈悲の深い蓉子だがお家大事によって次期当主候補ながら下劣な義弟を夫としてあてがわれそうでもあり、名家の思惑に翻弄される不憫なヒロインとも言える。 以前より蓉子へ想いを傾けている主人公もまた身分違いな高嶺の花を望んでしまう不憫さがあり、つまりは全員が小笠原家の格式によって不憫なすれ違いを味わっているとの見方もできる。心の奥底と表出する態度という表裏を交えた切ないストーリーが紡がれるのは作者の面目躍如であり、読み物としての面白さに繋がっていたように思う。綾子がギリギリのところで思わず溢した主人公への一言には、それまでの悪役が覆るほどのギャップが感じられる良さもあった。 表向きは辛辣な逆襲として迫る主人公だが、当初より恋心がある佐知や綾子は被虐的ながら愉悦も覚え、母性的な慈愛で接していた蓉子は急に迫られた後でオトコを意識することとなる。ただ、この時に2つ目の悲劇が生じることもあって袋小路にも陥るのだが、そんな事態が「天の声」よろしく一転するのは、それまでのすれ違いで悶々としていた様相が一気に晴れる痛快さもあった。ここでは名家ならではの力関係が良い方向に作用したようでもある。 物語が収束の段階に入って以降はやや寸詰まりの性急な印象となった面も否めないのだが、作者が拘る「ガニ股」「剛毛」「デカ乳首」が今回も盛り込まれた官能描写は無理強いな側面が加味されつつも昂る女体が抗いを奪っていく淫猥さがあった。

DSK

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