「和尚」と呼ばれた牧師 渡辺暢雄自叙伝

渡辺暢雄【著】

• 販売会社／発売会社: 地引網出版
• 発売年月日: 2006/07/01
• JAN: 9784901634120

商品レビュー

2006/07/25

福音を伝えるのに、多くの神学書にも増して用いられるのは、しばしば福音に現に生かされている人の生き様そのものであろう。そして本書もしかり。渡辺暢雄氏という一人の伝道者の歩みを通して、生きて働く神を見ることができる。
　読者はまた、渡辺氏自身が多くの人々との出会いによって形づくられてきたことを知るであろう。神学校入学前に、伝道対象である日本人を知るために大学の仏教科で学ぶのだが、そこで教鞭を執る仏教者をも恩師と言ってはばからない。他にも賀川豊彦やビリー・グラハムなどの「著名人」のみならず、留学時代の教授や友人、そして旅先での一信徒との邂逅など、多くの人々との出会いが記されている。渡辺氏を通して多くの人々と出会うことができるのだ。
　本書は一般の信徒にとっても益すること大であろうが、何よりもまず教役者の方々にお勧めしたい。伝道者の本分が「一人ひとりの魂に触れ、キリストに導くこと」であるならば、本書はそのような「伝道者スピリット」を再確認させてくれるに違いない１冊である。