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戦後政治を終わらせる 永続敗戦の、その先へ NHK出版新書485
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | NHK出版 |
発売年月日 | 2016/04/09 |
JAN | 9784140884850 |
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4.1
7件のお客様レビュー
政治の世界では、日本がアメリカに従属することは、半ば公然となっているらしい。日本の政治のカラクリを単刀直入に明らかにしている。 アメリカの衰退は、1971年のニクソン・ショックあたりから表面化し、それを食い止めるために、一番言うことを聞きそうなところに、そのツケを回しはじめた。...
政治の世界では、日本がアメリカに従属することは、半ば公然となっているらしい。日本の政治のカラクリを単刀直入に明らかにしている。 アメリカの衰退は、1971年のニクソン・ショックあたりから表面化し、それを食い止めるために、一番言うことを聞きそうなところに、そのツケを回しはじめた。冷戦構造が終わった時点で、アメリカにとって日本はアジアのパートナーではなくなり、庇護する対象から収奪する対象になった。 日本は無条件的な対米従属をしている合理的な理由がなくなったにも関わらず、それまでの依存と自立の志向が絡み合った対米従属構造が盲目的従属に深まっていくという摩訶不思議なことが起こった。日本には、アメリカの収奪攻勢に抵抗せず、迎合することで権益を得る人々が政界、官界、財界、学会、メディアに多数存在している。日本の永続敗戦レジームの担い手たちは、自らを守ってきた権力構造を維持するためならば、あらゆる富を売り払うということに全く躊躇しない。 アメリカの差し金と言えるものには、郵政民営化、普天間基地移設問題などたくさんある。安倍政権が進めた特定秘密保護法、武器輸出三原則撤廃、原発再稼働、集団的自衛権行使容認、TPPなどの一連の政策は、アメリカのシンクタンクが発表した第三次アーミテージ・ナイ・レポートの完全コピーだった。戦後の日本は、憲法の制約を盾にすることによって、アメリカの軍事戦略に100%付き従うことを避けてきた。安倍政権は憲法解釈を変えて集団的自衛権を行使できることにして、対米追従に対する歯止めを自ら捨ててしまった。 永続敗戦レジームは存在根拠を失っているので、崩壊するのは時間の問題である。日本国民が自らの手で必要な改革を成し遂げ、社会と政治を変化させ、ソフトランディングさせなければ、戦争や経済崩壊の形でハードランディングすることになる。 新自由主義は、右傾化、反知性主義、ポピュリズム、排外主義などの発生に深く関係している。新自由主義によって再び階級社会化が進むと、国民統合は危機に陥るため、国家の側がナショナリズムのイデオロギーを利用して再統合を図ろうとする。それが目くらましにであることに気付かせないように、反知性主義の雰囲気を蔓延させ、小難しい意見は端から間違っていると決めつける。
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『永続敗戦論』の、その先へとあるが、まさに『永続敗戦論』の要素をふまえているので、著者の主張の総まとめがコンパクトにまとめられていて、1冊目コレでもいいのではと思う。 『戦後レジームからの脱却』をとなえた安倍晋三は、実際には「戦後レジームの死守」とも呼ぶべき政策を強行してきた。本...
『永続敗戦論』の、その先へとあるが、まさに『永続敗戦論』の要素をふまえているので、著者の主張の総まとめがコンパクトにまとめられていて、1冊目コレでもいいのではと思う。 『戦後レジームからの脱却』をとなえた安倍晋三は、実際には「戦後レジームの死守」とも呼ぶべき政策を強行してきた。本当の意味での「戦後レジーム」とは? 「脱却」とは、と本書は問う。 本書に寄れば、「戦後レジーム」とは「永続敗戦レジーム」そのものである。日本はアメリカに対してのみ敗戦を認め、アジア方面に対しては認めていないという二重性のなかに生き続けている。しかし、アメリカにとって日本の重要性は決定的に低下した。アメリカに従属することで平和と安定と経済発展を享受してきた前提は崩れた。ここから旅立たなくてはいけないが、「利権共同体」にとっては、これまでの体制を存続させていくことが自己目的化していて、「永続敗戦レジーム」を強化して言ってしまう。 2016年発行の本だが、現状においても有効な総括であるし、ここから一歩も出ていないというのが日本の病だと思う。
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永続敗戦論の”その先”とあるが、”永続敗戦論”からの展開としては一冊の本にするには少し寂しい感じもするが、非常に鋭い現状分析にはやはり唸らされる
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