長男の本 みんな元気に蘇れ センチュリーファミリー6

斎藤茂太(著者)

• 販売会社／発売会社: 情報センター出版局
• 発売年月日: 1980/09/02
• JAN: 9784795801813

商品レビュー

2020/04/20

　以前読んだ長男の本は、どちらかと言えば長男の性格やら人となりを書いたものでしたが、この本では、時代と共に移り変わる、長男の置かれている環境、境遇のようなものを書いています。

　例えば、長男は家を継ぐもの、年老いた両親の面倒を見るものというような先入観がありますが、それは昔、家督を継ぐ、つまり親の財産を全て引き継ぐという前提があっての話であって、今のように兄弟で等分するような状況では、誰が見たって構わない、むしろ全員で見るべきだというように発想が変わってくるはずです。

　しかしなぜか、未だに両親の面倒は長男というパターンが多いようです。

　あるいは、長男は会社などの組織の中で、どのような役割を任せるのが適しているのか。あるいは、部下に長男の人間がいるとき、どのように扱うのが効果的なのか。実にユニークな視点で、具体的に話が進んでいきます。

　ただ、この本の中でも述べられていますが、長男と言っても、全てが一つのパターンで解決できるわけではありません。兄弟の人数や姉妹の人数、親の育て方などで、自ずと違う長男像が浮かび上がってきます。

　そういう意味で、何かの占いではありませんが、人間を決まったパターンにより分けて、画一的に見ようとするような主張の本ではありませんので、安心して読むことができます。長男の方はもちろん、長男の奥さん、恋人、そして長男を兄弟に持つ弟や姉妹の方、ぜひ、これから長男と上手につきあっていくためにも、一読をお薦めいたします。