怒髪の雷 競作時代アンソロジー 怒 祥伝社文庫

アンソロジー(著者), 鳥羽亮(著者), 野口卓(著者), 藤井邦夫(著者)

• 販売会社／発売会社: 祥伝社
• 発売年月日: 2016/03/01
• JAN: 9784396341961

商品レビュー

2018/03/08

喜怒哀楽シリーズの「怒」であるが、鳥羽亮、野口卓、藤井邦夫氏、3者とも好きな小説家である。
剣豪シリーズで、剣道の有段者の鳥羽亮氏の描く時代小説は、男性的である。
「怒りの簪」も、騙された女おゆきの介錯をした場面からであるが、女の無念さの敵をを取って、成敗するところがいい。

野口卓氏の「らくだの馬が死んだ」は、落語が、理解していないと、読みづらいが、矛盾の部分を逆手に取っている。
私は「軍鶏侍」の方が好きである。

藤井邦夫氏の「不義の証」は、親の代からの浪人生活の平八郎の活躍である。
情婦と逃げた夫から、不義をはたらいて子を生したと、思われていたおふくは、とんだとばっちりである。
子供は、夫　柊資十郎の情婦の子供を引き取って育てていたのだった。
不義の証と言われた子供がかわいそうである。
小説なのに、ふと、今日の新聞ではないが、子供の虐待の多さに、悲しみを覚えた。

2016/04/17

2016.3発行の「競作時代アンソロジー　怒髪の雷」です。藤井邦夫、鳥羽亮さんの名前を見つけ、図書館予約しました。藤井さんの「不義の証　素浪人稼業」はお馴染み矢吹平八郎の話、相変わらず面白いです。鳥羽亮さんの「怒りの簪」は土壇場で斬首前のおゆきの怒りを、首切り人・片桐京之助が受け止めるかどうか・・・、読ませてくれます。野口卓さん、初読み作家です。「らくだの馬が死んだ」、タイトル見てなんの話かわかりませんが、内容は・・・、やはりよくわからなかったです(^-^)野口卓さん、あと１冊何か読んでみます。