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零戦 その誕生と栄光の記録 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1984/12/15 |
JAN | 9784061834026 |
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(2013.07.17読了)(2009.09.05購入) この本の初刊は、光文社から1970年に刊行されています。吉村昭さんと柳田邦男さんの「零式戦闘機」を読んだときに光文社版を探したのですが、見つかったのが、この講談社文庫版です。2012年12月に角川文庫版が出ています。映画「...
(2013.07.17読了)(2009.09.05購入) この本の初刊は、光文社から1970年に刊行されています。吉村昭さんと柳田邦男さんの「零式戦闘機」を読んだときに光文社版を探したのですが、見つかったのが、この講談社文庫版です。2012年12月に角川文庫版が出ています。映画「風立ちぬ」に合わせて出したものでしょう。 この本は、零戦の設計主任を担当した堀越さんによる零戦の誕生から敗戦による引退までの物語です。開発して実践に使われだしたころは、圧倒的優位を占めていたゼロ戦も、アメリカとの太平洋戦争に突入してからは、徐々に優位を奪われ、特攻隊として、突っ込んで行かざるを得なくなって、敗戦を迎えます。 幾つかの改良を施してはゆきますが、モノ不足のため思うようにはいかず、もっと優れた戦闘機も計画したようですが、それにふさわしいエンジンなしには、どうにもならなかったようです。 零戦の開発の際には、試験飛行中に一名犠牲となり、実戦配備後にも、試験飛行中にもう一名犠牲が出ています。二人目のときは、原因不明の空中分解があったので、同じ機種を使って、原因解明をしようとした飛行によるものです。現代の飛行機事故でも、事故が起こると原因解明できるまでは、同じ機種の飛行は見合わせになるのは、一緒のようです。 開発物語で、面白いところは、どう工夫して要求を満たしてゆくかというあたりでしょう。そのためには、技術動向に敏感になって、使えるものを探したり、実現のための工夫のためにあれこれと知恵を絞るとか、既成概念を取り外してみるとか、この本には、そのすべてがあります。 戦闘機の悲しいところは、戦争の道具というところです。味方が勝つということは、相手が死ぬということです。戦争が当たり前の時代には、そんなことは当たり前のことなのでしょうが、現代の武器開発者は、どう考えているのか、知りたいところです。 【目次】 まえがき 序章 昭和十二年十月六日 第一章 新戦闘機への模索 第二章 不可能への挑戦 第三章 試験飛行 第四章 第一の犠牲 第五章 初陣 第六章 第二の犠牲 第七章 太平洋上に敵なし 終章 昭和二十年八月十五日 解説 柳田邦男 ●エンジンで(43頁) 実用機の中で、戦闘機ほど、エンジンによってその性能を左右される機種はない。エンジンが決まれば、機体の大ざっぱな図が描けるとさえ断言できる。 ●定回転プロペラ(54頁) 定回転プロペラは、飛行機の速度の変化に従って、低速ではプロペラのねじりが浅く、高速ではねじりが深くなるように、ピッチが自動的に変わり、エンジンとプロペラの回転を、いつも、全速力が出るようなフル回転にしておくことができるのである。戦闘機は、空戦中、上昇から急降下まで、速度が千変万化し、特に高速の戦闘機ほど、その速度の範囲が広いから、定回転プロペラの長所がよく発揮される。 ●体重が(89頁) 計画説明書を提出してから一年、一枚一枚の図面にスタッフ一同の重量軽減の努力がにじんでいた。機体の重量はなかなか減らないのに、われわれの体重ばかりが減るありさまだった。 ●パラシュートは開いた(124頁) 落ちたパラシュートの調査と目撃の状況によると、奥山操縦士は空中で半ば失神しており、地上に降り立ったような錯覚を起こしたのか、落下中に手をもぞもぞ動かし、無意識のうちにパラシュートの留め金具を開いてしまったらしい。 ●零式艦上戦闘機(134頁) 飛行機の名前に、九八式、九九式などと、日本紀元の末尾の数字がつくのは軍の習慣だったから、十二試艦戦が零零式か、零式になるのは、当然のことだった。 ☆関連図書(既読) 「零式戦闘機」吉村昭著、新潮文庫、1978.03.30 「零式戦闘機」柳田邦男著、文春文庫、1980.04.25 (2013年7月19日・記) (「BOOK」データベースより)amazon 世界の航空史に残る名機・零戦の主任設計者が、当時の記録を元にアイデアから完成までの過程を克明に綴った貴重な技術開発成功の記録。それは先見力と創意、そして不断の努力が見事に結晶したものであった。「われわれ技術に生きる者は、根拠のない憶測や軽い気持ちの批判に一喜一憂すべきではない。長期的な進歩の波こそ見誤ってはならぬ」日本の卓越した技術の伝統と技術者魂を見直すことが問われる今こそ、必読の一冊。
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設計者自らが、零戦の設計について振り返る。私は日本の歴史観をどうしても戦後からのスタートだとみてしまうのだが、戦前より優秀な技術者によって蓄えられた技術によって、戦後の復興があったことを改めて認識する。
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