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カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2016/02/23 |
JAN | 9784062199094 |
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カナリア恋唄
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カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦 by 杉本章子、深井国 「同じ組内と申すが、話をおまえといっしょにしてはならぬ。おまえはお扶持の多い家へ嫁ぎ、由乃殿はその逆なのじゃ。そこのところを忘れるな」 縁談の相手は、お徒衆 大竹 理 左衛門 の次女由乃で、今年二十四という。だいぶ 薹...
カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦 by 杉本章子、深井国 「同じ組内と申すが、話をおまえといっしょにしてはならぬ。おまえはお扶持の多い家へ嫁ぎ、由乃殿はその逆なのじゃ。そこのところを忘れるな」 縁談の相手は、お徒衆 大竹 理 左衛門 の次女由乃で、今年二十四という。だいぶ 薹 が立っているのは、二十で嫁ぐはずだった 許婚 が婚礼の半年前に急死したからだそうだ。 許婚の死に 様 は、由乃にも影を落とした。以来かんばしい縁談もなく、たまに良縁と思われる話がきても、後妻の口だったり、相手が四十男だったりした。 由乃の下には妹がいて、その娘も 嫁 けなければならず、親は焦りに焦っていたところへ、中田からそれとなく 下話 がきたのである。 「まさ江に先立たれて、つくづく思うた。 夫婦 というのはさようさ、相棒のようなものじゃ。相棒なのだからして新吾、あうんの呼吸が合わねばならぬ。まさ江は、わしのよき相棒であった」 「…………」 「そしてな、この齢になってみると人の一生というやつは、まことに 須臾 の間だとわかるのだ。さればこそ、気に染まぬ女子と 組 になるより、想い人と組になれと申しておる」 「まことにありがたく、また、もったいなき仰せなれど、わたくしには想い人などおりませぬ」 「どうだ、お父上は喜んでおられよう。祝言のときしかお目にかかっておらぬが、由乃殿はしとやかで控え目なおかたのようだ。男所帯返上で、家内は明るうなったであろう」 まさか日向は、自分しか知らぬはずの由乃の娘時分の不始末を、父喜兵衛がとっくに知っていて、胸にたたんでいるとはゆめ思わない。
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お狂言師歌吉うきよ暦 シリーズ4 にして最終編 歌吉こと、お吉は、三代目水木歌仙の弟子で、お狂言師となった後も、厳しく仕込まれている。 お吉には、裏の顔として、お小人目付の日向新吾と岡本才次郎の手駒として、様々な事件に関わっていた。 手駒となり、6年。 お吉と、日向は、想い想...
お狂言師歌吉うきよ暦 シリーズ4 にして最終編 歌吉こと、お吉は、三代目水木歌仙の弟子で、お狂言師となった後も、厳しく仕込まれている。 お吉には、裏の顔として、お小人目付の日向新吾と岡本才次郎の手駒として、様々な事件に関わっていた。 手駒となり、6年。 お吉と、日向は、想い想われの仲になったが、 お吉は、相弟子の嫉妬から、一生治らない傷を顔に受けた過去がある。 「そんなお吉の支えとなっている踊りを捨て、気を張り詰めどおしの暮らしの中に引き込みたくない」と、日向は、姉の勧める娘と、祝言を挙げた。 稽古にも身が入らないお吉。 それでも、自分を励まし、お狂言師歌吉として、立ち上がる覚悟をする。 心を隠し、手駒として働くお吉。 一方、日向の新妻に、芳しくない過去があり、日々の行いに、父親も手を焼く有様。 ようやく、日向は、妻と離縁する決心をし、父親に、仕事が一段落したら、お吉と会って欲しいと言う。 それを聞いて、父親「合縁奇縁、末永く添い遂げてくれよ」と言う。 後一冊で、最終編というところで、作者の杉本章子氏は、乳がんにより、逝去されたとのこと。 お吉と日向のその後は、どうなるのか。 読んでみたかったが、どうやら、杉本章子氏は、二人とも、死ぬ構成を作っていたとの事。 二人が死んでしまうと、家族や周囲の人々の悲しみは、いかばかりか。でも、残された者は生きていかねばならない。その事を作者は、最後に改めて伝えたかったのだと確信している。と細谷正充氏は、解説で述べている。 が、それでも、ワタシは、二人には、末永く添い遂げる、幸せな結末を迎えて欲しい。
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作者 杉本章子氏の遺作とは、知らずに、読み始めてしまった。 時代小説でも、好きな作家である。 お狂言師という仕事をしている歌吉と日向新吾。 隠密の手駒として密命を帯びながら、2人は、好き同士なのに、相手を思いやるばかりで、違う道を選択せねばいけない。 狂言師仲間で、大奥の中...
作者 杉本章子氏の遺作とは、知らずに、読み始めてしまった。 時代小説でも、好きな作家である。 お狂言師という仕事をしている歌吉と日向新吾。 隠密の手駒として密命を帯びながら、2人は、好き同士なのに、相手を思いやるばかりで、違う道を選択せねばいけない。 狂言師仲間で、大奥の中でといちはいち組へ無理やり引き込まれ、内々に、不審な死に方をしている事に、どのようにして、暴き出すのか?・・・ 2人の恋の行方は、、、、 新吾は嫁を貰い、そして歌吉は、踊りを選択するのだが、、、 新吾の父親喜兵衛が、優しい。 そして、この時代、武士の方が、嫁に貰うのは、商家からだと、武士の養女になってから、、、なのに、賛成の意を最後の所に表している。 2人への未来は、明るい。 最後の細谷正充氏の評を見ると、「作者は、最後に、歌吉と新吾を事件で、死ぬ予定だった」、と、、、、 ここまで、2人を離れ離れにして、、、、やはり、ハッピーエンドで終わって欲しい。 喜兵衛の「ふくら雀が同じ家紋」と、、、、合縁奇縁のように、、、、 この終わり方の方が、素敵だと思う。
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