和声(2) 理論と実習

島岡譲

• 販売会社／発売会社: 音楽之友社
• 発売年月日: 1965/05/01
• JAN: 9784276102064

商品レビュー

2021/06/08

おそらく難易度が跳ね上がるのが「変位」が出てきたあたり。構成が複雑になるように見えるが，基本は変位しない元の型を考えればいい。転調については，2巻段階では軽くさらう程度に。

第1章　Ⅱ7の和音
第2章　準固有和音
第3章　V(V)の諸和音
第4章　Ⅳ7・＋Ⅳ7・－Ⅱ1の和音
第5章　K2におけるS諸和音の総括
第6章　K3におけるS諸和音の総括
第7章　近親転調
第8章　ソプラノ課題

2019/01/02

通称「藝大和声」の第2巻。

第1巻より内容ははるかに高度になっている。特に、第3章のドッペルドミナント以降は、扱う和音の使い方がより厳格になることもあり、それ以前のようにスイスイと学習が進まくなるだろう。

もとより、和声学の学習はそもそも独学が非常に難しいので、私はSNSを使って指導できる方を探し、その方に師事しているが、社会人だと毎週通うことも難しいため、レッスンとは別に事前に課題を添削して頂くことにしている。

しかしながら、藝大和声の類書にない最大の長所は、記述が厳密で気軽に挑戦できない反面、きちんと勉強すれば疑問の余地がほとんど生じないよう、ほとんど完璧にできているという点である。また、世にあふれている和声関係の本は、全て本書を勉強した人が書いているので、このことからも本書が原点であることも指摘したい。

藝大和声を批判する人は非常に多く、和声記号が日本でしか通じない『ガラパゴス規格』である点がその最大の欠点であることが以前から指摘されている。これは、2巻までを学習した後、別途、数字つき低音を勉強すれば事足りるだろう。

2012/08/05

　I巻に引き続き、東京藝術大学の、書法としての「和声法」授業用テキスト第2巻。

　II巻のおもな学習目的は、次の3点。
・各種S和音
・転調
・ソプラノ課題

　通常、一般的な音楽大学では、作曲以外の専攻学生に対して、2年間で、このII巻の2/3位の内容までを学習する。

　多くの学生が和声で挫折するのは、この巻に含まれている「転調」と「ソプラノ課題」である。執筆責任者の島岡譲氏は、これらのスムーズな学習方法として、本書執筆以降、国立音楽大学と東京藝術大学で、新たなアプローチを持つ和声法のテキストを執筆、出版している。

　本シリーズは、「書法」学習のための授業用「テキスト」であって、実際の楽曲を例に和音の使用法を学ぶ「和声学」と混同しないように。
　「和声学」を学習するには、シェーンベルクの名著のほか、最近では、ピストン、リムスキーなどの書籍も出版されている。