ラミッツの旅 ロマの難民少年のものがたり

グニッラ・ルンドグレーン(著者), きただいえりこ(訳者)

• 販売会社／発売会社: さ・え・ら書房
• 発売年月日: 2016/01/01
• JAN: 9784378015170

商品レビュー

2022/04/19

『難民』という言葉を知ってるってだけの知識やったんやなぁと改めて自分が情けなくなった。大変なんやろうとは思ってたけど、そんな簡単に大変なんて言われへん位のことやった。
きっとラミッツはお父さんとも再会できて、まだ幸せなんやろうと思うが…きっと想像もできない位の悲劇と大変さがあるんやろう。
『マリア』さんや、赤十字のおばちゃんたちのような良い人がたくさんの世界になれば少しずつ変わっていくんやろか…
まずは、もっと色々学ばないといけない。
しっかり勉強しようと思った。

2017/10/08

実話にもとづく物語。
12歳の少年ラミッツはコソボから亡命してきたロマ人の両親の元、ドイツで生まれ育ちドイツの学校に通っていたが、先生やクラスメイトの偏見から学校に居づらくなり学校に行かずに父親の仕事を手伝うようになる。ところが急にドイツから退去命令が出てコソボへ帰らなくてはならなくなった。コソボではドイツ帰りと言うことで狙われ、父親はどこかへ連れ去られてしまう。祖父母の努力のおかげでスウェーデンに亡命することができたが、ストレスのため姉さんは起き上がれなくなり、自分も話すことができなくなってしまった。ようやく父親もスウェーデンに亡命してきて再会することができ、永住許可もおりたため二人はゆっくりとだが回復し普通の生活ができるようになった。
コソボ紛争は1990年代初めから2000年代始めにかけてコソボを巡って起こった紛争。コソボに暮らすセルビア人とアルバニア人がそれぞれ自分たちの領土だと主張したために起きた。
難しい問題をラミッツの一人称で分かりやすく平易な言葉で語っている。ラミッツの興味が普通の映画やゲーム、サッカーなどにあり、日本の子どもたちと何ら変わりがないということがよく伝わってくる。。自分ではどうしようもない理由で不幸な境遇で暮らしている人々がいるということを気づかされる。
簡単に書くことに重きを置いたせいか物語に深みがなく、日本の子どもが自分から興味をもって読み切れるかは不明