神々の山嶺(愛蔵版)(下) 愛蔵版

谷口ジロー(著者), 夢枕獏

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2016/02/02
• JAN: 9784087927122

商品レビュー

2019/01/30

ウールの下着 蜂蜜やスープ "やるだけはやった"という確信があれば余計な思考をせずに登攀に集中できることになる プジャ 祈祷旗 ヌプツェの頂に雲がかかり テルモスを開いて熱く甘い紅茶を飲む 自分の内部に眠っている鉱脈を捜しにゆく行為のようなものだ 灰色のツルム 瘤状に氷壁が盛り上がった場所 女の身体の肉体の血の温もり… 力強いリズムだった…深町の腹の下で羽生の熱い筋肉の動くのがわかる 背にした岩から60センチまでが安全な空間なのだ 猛って咆哮している ちょうちん提灯 想ナマステ あの骨の軋むような時間 満たされない飢えを持った獣 そして俺は地球を踏んだ 標高8848メートル 俺に憑いて俺に連いて来い！ 思え…ありったけの心でおもえ想え 信じ難き昇華を見せた作品の創造主 森田勝と長谷川恒男 狼は帰らず K マロリーが写った写真 ラストを変えていいですか？ 原作の懐の深さ

2018/06/10

3巻の完結編。
羽生丈二がついにエベレスト南西壁の単独無酸素に挑む。羽生がすごいのは分かっているけれど、それについていく深町がすごい。山は登っているとは言え、深町はジャーナリストだ。
羽生は群れないけれど、狭く濃い人間関係を築いている。すべてを投げ打って頂上を目指してもいいはずなのに、それはしなかった。モデルはいるとはいえ、羽生のような人はこの作品の中にしかいない唯一無二の存在だと思う。
谷口ジローさんも、確か夢枕獏さんも本格的な山登りはしないのではなかったか。それをここまで臨場感たっぷりに描けるのはすごいと思う。もっとも、自分も冬山にさえ行ったことないので、リアルなところは知らないんだけれど。
原作とちょっと違う演出、鳥肌立ちます。

2016/03/21

最後の方に熱いものがこみ上げてくる。
実際に解明されてない謎を小説として答えを出してくるあたりが秀逸