世界が赫に染まる日に

櫛木理宇(著者)

• 販売会社／発売会社: 光文社
• 発売年月日: 2016/01/19
• JAN: 9784334910747

商品レビュー

2024/08/22

単なるイジメでは許されない事件の被害者になってしまった従兄弟のために復讐する話かなと思ったら先ずは復讐の練習をスタート…練習いるんだなんて思いつつも段々エスカレートする主人公と相棒にハラハラ。
加害者も復讐する2人も人間ってこんなに残酷にぬれるんだのオンパレードでした。

ハンムラビ法典の本当の意味や少年法の成り立ちについても書かれていて現在の少年による犯罪について考えさせてました。
加害者となった少年は逮捕されればある意味で保護され国庫で生活が賄れるが、被害者は一生加害されたことに苦しみ後遺症と闘っていかなければならない。
確かに不公平。
そこに憤る主人公と被害に遭った従兄弟のお母さんの対比が印象に残りました。

『世界が赫に染まる日に』という題名は相棒の文稀のためにつけられたのかなと思いました。
実際に2人がしたこと、文稀の日記、文稀を取り巻く現実が本当に歪で救いようもない。
文稀の全てを赫に染め上げたいという気持ちの表れなのかもしれません。
表紙もお話の内容を的確に表現されています。

2024/06/18

読みながら、「う、うーーーーん。うーーーん。」と心の中でなんだかモヤモヤしていました。

どんなことをテーマにしたかったかも分かるけど、それにしてはなんだか…
小説だから、現実とは違うから、リアリティを求めちゃダメなのも分かりますが、それでもその小説としての現実みたいなのが変なことになってると言うか。うまく言えませんが…

中学生でそんなことまでできるか？実はこれ全部妄想なんじゃないか？なんて終始物語に入り込めずに読んでいました。

復讐ね…
親でもないのに、そこまで出来るものなのか？
色々入り込めずに物語は終わっていきました。

2024/05/13

「他人のことまでいちいち深く考えてられないよ。自分が死んだあとのことなんて、たとえ地球が滅びたって関係ないじゃない。｣

従兄妹の復讐に燃える元野球部の少年と左に邪眼を持つ死にたがり少年がタッグを組んで《最低なヤツら》に報復をする話。

所謂、私刑モノ。ダークヒーローだ。

最後、彼は目を覚ましたのだろうか。
最後、彼らはもう一度 己らの手を下すのだろうか。

櫛木理宇にしてはグロ描写は控えめ。
感情移入しやすいキャラクターたちで、
スラスラと読みやすかった。