グローバル・ベーシック・インカム入門 世界を変える「ひとりだち」と「ささえあい」の仕組み

クラウディア・ハーマン(著者), ディルク・ハーマン(著者), ヘルベルト・ヤウフ(著者), ニコリ・ナットラス(著者), 岡野内正

• 販売会社／発売会社: 明石書店
• 発売年月日: 2016/01/09
• JAN: 9784750342917

商品レビュー

2016/05/09

ナミビアのある村でのベーシックインカムの実験的導入の記録。
失業、貧困にあえぐ村に平均所得水準を上回るベーシックインカムを供与。母体は、キリスト教系団体、労働団体など。導入の結果として、失業は改善、犯罪率、負債、健康状態も改善、ほぼ全ての指標で大幅に改善が見られた。一方ナミビア大統領は全国展開することには否定的で現在に至るまでプログラムは拡大していない。財源はGDPの３−５％が必要となる。その他世界各地の貧困地域でも行われており、ブラジルでは法律で導入が決まっているらしい（が実行は全くされず）。この本を読む限りは、富裕層からの材の移転に伴う痛みを除けば、問題はないように思える。特に生活が最低水準を明らかに割り込んでいるような地域では、失業、需要減、犯罪増、のような悪循環が起きておりこれを断ち切るための有効な手段に思える。