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しまくとぅばの課外授業 琉球語の歴史を眺める
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しまくとぅばの課外授業 琉球語の歴史を眺める

石崎博志(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ボーダーインク
発売年月日 2015/08/01
JAN 9784899822813

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2016/01/12
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沖縄県は平成18年に9月18日を「しまくとぅばの日」という記念日に制定した。 その日に決めた理由は「しま、く(9)とぅ(10)ば(8)」という語呂合わせである。 笑っていけない、県は真剣なのである。 今の沖縄の言葉使いの現状ではいずれ琉球語(しまくとぅば)が消えてしまうという 心配を本書を読むと良く分かる。 言葉の違いを知るために、 標準語と首里、那覇の母音の対応をみていこう。 標準語の母音は5母音(あ・い・う・え・お) 首里、那覇の母音は3母音(あ・い・う)である。 その変化の対比は 標準語あ=>首里語あ 標準語い・え=>首里語い 標準語う・お=>首里語う その例として、中国から伝わった行事で4月に沖縄で行われるお墓での行事、 清明祭がある。 清明祭とは、墓前に親族が集まり、酒、お茶、お重を供えた後に皆でご馳走を頂く習慣。 その言葉が母音が変化した言葉になっている。 標準語「セイメイ」 琉球語「シーミー」 中国語「チンミン」 その変化の過程を説明する。 標準語のSeIMeIの「え」が「い」に変化して琉球語のSiMii(シーミー)に変化している。 たぶんその言葉の流れは 中国語=>本土日本語=>琉球語となったと想定させる。 次に口蓋化と破擦化で言葉が変化した部分。 標準語き=>琉球語ち 標準語た=>琉球語ちゃ その例として、標準語きばれよ(気張れよ)=>チ(き)ばリよ 標準語、きょう(今日)=>ちゅう などである。 視点を変えて標準語と古語と首里(琉球語)の関係をみてみよう。 標準語(東風) 古語(こち) 首里(こち) 次の言葉は有名だが、母音変化と口蓋化、破擦化の複数が混じった言葉。 標準語(美しい) 古語(きよらし) 首里(ちゅらさん) その変化の流れは、 KiYoRa=>KiYuRa=>(き=>ち)ちゅらに変化した。 言葉の変化は面白い。 この流れは、本土日本語=>琉球語となったと想定させる。 地名における琉球語の変化も観てみると、 有名な難読地名をに列挙すると、 波平(ハンジャ)、北谷(チャタン)、保栄茂(ビン)、具志頭(グシチャン)、 勢理客(ジッチャク)、喜屋武(キャン)、西武門(ニシンジョウ)、今帰仁(ナキジン)である。 ここまでの言葉の流れを観てくると、昔の日本本土と琉球は言葉が共通な点が 多いのでこういう考え方が昔からある。 日琉同祖論という。 この言葉の意味は、日本人と琉球人が起源を遡れば、民俗的に同一であるという 考え方である。 平安時代の源為朝が琉球へ逃れ、その子が初代琉球王舜天になったという説である。 かなり強引な説であるが、昔からある伝説になっている。 しまくとぅばを大切にするという現在の方向に逆らうように、 1900年から1960年頃に方言札が使われていたことは有名な話である。 方言札とは、方言を追放して、標準語を普及させる手段として、 主に学校で、方言を言った生徒に罰として掛けた札のこと。 その札をはずす為には、他の生徒が方言を使用したら、交代できるので、イジメとかも 行われていたこともあると想定できる。 最後に、現在の沖縄県では、しまくとぅばの普及の為に 9月18日にしまくとぅば大会(今年は4回目)を開催している。 役人からの提案(制度)で始まる試みは、昔の方言札に 似ているため、この制度によって無理が生じて、逆にしまくとぅばが失われてしまう可能性が でているのではないか。 生活に根差したおばあとかが使う言葉が真の「うちなあぐち」であり 「しまくとぅば」ではないかと感じる。

Posted by ブクログ

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