モーションシルエット かげからうまれる物語

かじわらめぐみ(著者), にいじまたつひこ(著者)

• 販売会社／発売会社: グラフィック社
• 発売年月日: 2015/10/01
• JAN: 9784766128116

商品レビュー

2024/05/24

子ども図書館で見かけてあまりの美しさに驚いた本。スマホのライトを持ちながら読むととても楽しい。仕掛け絵本の中でもページ数が少なく、ストーリーと言えるものもないのだが、サブダなどよりもこちらの方がアイデアとしてとても好みで、よかった。

2024/05/10

「ライトをもって　ページのまんなかに　ひかりを　あててみよう」

こんな言葉に誘われて、絵本の世界へ入り込む

この本は、たださんのレビューから手に取った仕掛け絵本です
ありがとうございます♪

部屋を暗くすると楽しいとのこと
夜になるのを待ち、暗い部屋で懐中電灯を手にすると、子どものようにワクワクする
娘も誘い、二人で布団の上に寝そべって準備オッケー！

見開きの間から繊細な切り絵が飛び出す
そこにライトを当ててゆっくり動かすと、影が伸びたり縮んだりして動き出す
角度を変えることで違って見え、親鳥は鋭い目付きになったり、オバケは変顔になったり…
好きに遊べるのが面白いな

最後のページ
月へのぼる列車はとっても幻想的です

そして意外だったのは
翌朝、朝日が眩しい台所でこの本を開いたら…
暗い部屋でライトを当てたのとは全く違うくっきりとした影が浮かび、まるで違う作品を見ているかのよう

絵も美しいんですよ
白と黒の濃淡で描かれ、優しさも感じられます
オフホワイトの少しざらざらした手触りの紙質が、それを引き立てているのかな

少ない頁数ながら、じっくりと楽しめる一冊です

2024/05/03

　なるほど！　｢かげからうまれる物語｣とは、そういうことかと納得した私にとって、ブクログの登録では、初の立体的な仕掛け絵本になります。

　普段通り、明るいところで読むと、白を背景とした黒色の様々な濃淡を使い分けた、美しくもおぼろな絵と、紙切り芸を思わせる、精巧に切られたポップアップを左右に傾けることで、二パターンのシチュエーションを、左右のページそれぞれに楽しむことが出来ますが、部屋を真っ暗にして、ライトでポップアップを照らし出した瞬間、世界はたちまち一変いたします。

　仕組みは理解できるようでいて、これがやってみると、とても楽しくて、その真っ暗な空間に於いて、ポップアップの影がまるで生きているように、ライトの絵本を照らす角度によって、大きくなったり小さくなったり、動いたりする様には、まるで子どもの頃に立ち帰ったような、新鮮な驚きと喜びがあって(その気になれば、実際に親鳥が雛に餌をあげるような動作も可能)、特に私のお気に入りは、おばけと汽車で、前者は動くことで、その可愛らしさが更に際立ち、後者は背景の絵も合わさることで、とても夢のある風景となる、それは、部屋を暗くした夜のムードが更に臨場感を高めさせてくれる、本書独特の楽しさだと思いました。

　また、本文には英訳も同時に掲載されており、英語の勉強にもなりますが、何よりも、まずは家族みんなでライト片手に、部屋を暗くして楽しむのがいちばんだと感じ、そのライトならではの楽しさには、みやこしあきこさんの絵本｢かいちゅうでんとう｣を思い出した、そんなワクワク感でいっぱいですよ。