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南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史
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南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史

ビル・ヘイトン(著者), 安原和見(訳者)

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南シナ海 アジアの覇権をめぐる闘争史

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2015/12/01
JAN 9784309226453

南シナ海

¥770

商品レビュー

4.2

6件のお客様レビュー

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2019/01/13

2016.4記。 BBC熟練記者のルポルタージュ。現在の状況に少しでも関心のある人は必読の面白さ。 中国は莫大な予算をつかって海洋考古学を推進し、南シナ海で太古から中国人が活動していたことを証明しようとしている。しかしまともな研究が示していることは、現在の国民国家とはまったく...

2016.4記。 BBC熟練記者のルポルタージュ。現在の状況に少しでも関心のある人は必読の面白さ。 中国は莫大な予算をつかって海洋考古学を推進し、南シナ海で太古から中国人が活動していたことを証明しようとしている。しかしまともな研究が示していることは、現在の国民国家とはまったく別の行動原理を持つ「海の民」の広汎な活動。そもそも現代の国境など関係がない。 とは言え、この海域における中国の主張がすべてデタラメと言うのは言い過ぎ。とくに第2次大戦直後の1946年頃は米軍の支援で(!)、必死に島嶼派遣を繰返していた。が、やっていたのは実は中華民国政府(台湾)。共産党中国がそれを当然に継承すべきかという問題が事態をややこしくしている。 歴史を書き換えてまでこの海を欲しがる理由としてよく天然資源があげられるが、著者の結論は「言うほど有望な地域ではない」。ただし漁業はもっと深刻で協定を結べないが故の乱獲が進行し、南シナ海は「からっぽ」になりつつある。 では何がここまでの緊張を生み出しているのか。それは中国のナショナリズム(譲歩すれば共産党批判に直結する恐怖感)と米国の海洋覇権へのこだわり(ある海域のヘゲモニーを失えば国家アイデンティティにかかわる)の対立。この米中ヘゲモニー対決と領土問題各論の合わせ技が南シナ海の本質。 誰か一方的に悪いやつがいるならことは簡単だが実際にはそうではない。誰も引っ込みがつかないこの状況を「我慢」すること、相手の事情を考えてWin Winをさがすこと、相手のメンツをつぶしにいかない(勝利を実感しようとしない)こと、でも同時に見せるべき力は見せること。 学ぶべきことは多いですね・・・

Posted by ブクログ

2016/08/24

国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所で、中国の主張はことごとく否定された。判決は拘束力を持つが、強制力はないため、当然ながら中国は受け入れを拒否している。 力で自らの主張を押し通し、それがなし崩し的に認められてしまうという状況はあってはならない。帝国主義の時代に逆戻りしてしまう。中国...

国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所で、中国の主張はことごとく否定された。判決は拘束力を持つが、強制力はないため、当然ながら中国は受け入れを拒否している。 力で自らの主張を押し通し、それがなし崩し的に認められてしまうという状況はあってはならない。帝国主義の時代に逆戻りしてしまう。中国が拒否権を持っている以上国連も機能しないし、非常にもどかしい。 せめてASEANが一致団結して中国に対抗できればいいが、中国に懐柔されてしまっている国もあり難しい。日本がもっとASEANに働きかけを行うべきであろう。

Posted by ブクログ

2016/05/02

私はおよそ無知で昨今新聞紙上で騒ぎになるまで同海域の古代史はおろか近現代史も知らなかったが、本著でその輪郭を知ることができた。本当に恥ずかしながらこの海域でかつて死傷者がでる戦闘が1988年という「つい最近」あったことも知らず、ただ経済的・軍事的に力を付けてきた中国が「最近」進出...

私はおよそ無知で昨今新聞紙上で騒ぎになるまで同海域の古代史はおろか近現代史も知らなかったが、本著でその輪郭を知ることができた。本当に恥ずかしながらこの海域でかつて死傷者がでる戦闘が1988年という「つい最近」あったことも知らず、ただ経済的・軍事的に力を付けてきた中国が「最近」進出したという認識であった。歴史的に日本がロシアの圧力を北に感じていたように、東南アジア諸国にとって中国は常に脅威であったというシンプルな事実に気づかされた。 1995年のフィリピン・ラモス政権には武力行使という選択肢はなかった。中国はいけしゃぁしゃぁと嘘をついている。アメリカは、基地に関する合意を反故にされてまだ憤慨していた・・・。ラモスは近隣諸国に助けを求めた。それが転機となった。1995年までは南シナ海における中国の勢力伸長に、真に影響を受けていたのはベトナムだけでったし、しかも当時のベトナムは国際的に孤立していた。・・・しかし、東側のミスチーフ礁に手を出したことによって、中国は初めてASEAN諸国が領有権を主張する海域に侵入したのだ。・・・しかし、軍事的解決という選択肢を持たないのはASEANも同じだ。どの加盟国も中国と敵対するリスクを負う覚悟はなかった。(P127~) 結局、これだ。立場の強いものが勝つ。 海に浮かぶ小さな島や岩礁。古代から「固有の領土」を主張できる国は存在しない。第二次世界大戦とその後の各国の独立のなかで引かれた(曖昧な)線を如何に維持していくかしかなく、「力」があれば簡単にチャレンジできる。あっという間に火種になる。30年続いてきた中国の伸長を止めるのは結局「力」しかないのかなぁ。であれば、極めて悲観的な将来図しか描けないが…。

Posted by ブクログ

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