ヒトラーの共犯者 新装版(下) 12人の側近たち

グイド・クノップ(著者), 高木玲(訳者)

• 販売会社／発売会社: 原書房
• 発売年月日: 2015/12/16
• JAN: 9784562052721

商品レビュー

2022/09/16

図書館本しかも他図書館よりの外部貸し出しという制約で入手できた本なので、上下巻14日で読むのは辛かった。
14日間昼夜を問わず、没入して読めるメンタルを持ち合わせていないため、上巻読んだ時点ですでに　困憊98％。他の本を間に入れ、或いは並行して読んだりして下巻を読むスピードはがた落ちで本日返却(外部なので延長不可）

2001年刊行の当作品はドイツテレビのドキュメンタリーの原作として読みだされた。当初から反響は大きく、日本でもNHK教育テレビで放映もされたらしい。筆者はTV局長、その手腕は高く評価を受けている。

下巻、6人の悪魔がまな板に乗った。
アイヒマン・シーラッハ・ボルマン・リッペントロープ・フライスラー・メンゲレ。
既知は2人だけ、逃亡の足跡が色々なところで公になったことで有名であり、アマプラで放映されたドキュメントタッチの作品をも見た。

上下とも1ヵ月は書け、じっくりと詰めずに読むのが正解かと思う・・とてつもない中身～資料の膨大さ、ありとあらゆる方面の入手ルート、写真の豊富さ。
釈放されたのもいるし、逃亡の果ての一人は普通に「逃げまくり」バカンス中に海でおぼれ死んだ。

上巻に登場した6人も下巻の6人もヒトラ―、ナチス政権下での「自発的執行者」であったことは断言できる。
上下一貫して語り続けているのはその12人の悪魔の「幼少期から破滅迄の性格分析」
手垢がつくほどに言われる「人間のもつ　人間らしさというものの危うさ・・人間性のみでは守り切れない。⇒人間性の豊かな社会を土台とした国家なら　人間性は守れるだろう・・・歴史の中で正義から悪が生まれるのを防ぐために」
国際ニュースを連日聞いていて　米・露・中のパワーバランスのせめぎ合い、国同士が駆け引きをし、胸に一物を持って手を差し出す、或いは手を握って行く状況が日に日に薄氷の上での戦」に見えて仕方がない。
犯罪的な国家の登場の靴音が遠くから聞こえてくるような・・或いは家主　地球の破壊の音の方が高まるか。。