ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論 集英社新書0815F

ヤマザキマリ(著者)

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2015/12/01
• JAN: 9784087208153

商品レビュー

2024/07/30

筆者自らも変人と自認している風合いがよろしい・・画して私も。
変人とは、私が思うに「異能人」・・単に「既成概念に捉われず・・・・果てしなく自由な思想を持った」人々がみなそうとは言えないでしょう。
狭い概念で考えると「15～16世紀にかけて伊で活躍した巨匠たち」と彼らによって起こされた・・特に美術ジャンルでのムーヴメントがルネサンス。

しかし、筆者はこの本の中で少し幅を持たせ大いに語ってくれる中身は相変わらずの博覧強記の世界。
いわば百科全書のインデックスを見るようで、面白すぎて頭がクラっと来た。

ワンオペ的な子育ての時代、とてつもなくはまってのめり込んだのがフェルメールの３０数作の小品絵画の世界・・光と影の小さな空間の中に見える奥の深いストーリー…次いで北方ルネサンスの人間臭い肖像、筆のタッチ、語られる生臭い権力腐敗、金欲、宗教の歪み等など。

この作品では大いにその辺を語って余すところなく比呂がrを見せる…フィリッポ・リッピ／ボッティチェルリ／ラファエロ/ミケランジェロ／レオナルド／メッシーナ／マンテーニヤ／ウッチェロ／カルパッチョ（おいしそう・・）／デューラー／ホルバイン・グリューネヴァルト／そしてブリューゲル！
おまけ以上の迫力でフェデリコⅡ、ダンテ、ペトラルカパッラーデイオヴァザーリが文学を越えた国として、国民としての学問体系に与えた内容を語る、

美術論の本で結構ベストセラーになった中野さんの一連をけなすわけではないが「綺麗で上質な光る紙）ならずとも、その絵を知り、解説に耳を傾けられるんだと思えた。章ごとの頁の初めはマリさんのデッサンがが載っており、めちゃくちゃいい味・・流石の技。

ボケ防止にと４年余り聴いているNHK　Eテレの「旅で楽しむイタリア語講座」～ゲストに出てくる３人の男女の語りの豊かさにマリさんの話がリンクした。
聴いたこと食べたこと飲んだ事のないイタリアの風土と食べ物飲み物♪ダンテが隅々まで語られ血となり国民の体を流れる。口ずさむのはペトラルカの詩・・中学校では授業でデッサンにボッテチェルリの「ヴィーナス」が課題になるというお国柄。

ここで語られる変人＝異能の人と最初に語った通りだと改めて言いたい☆

2024/02/26

美術館の絵を見てもすごい〜映えるな〜としか思わなかったけど、背景を知ると愛着が湧く気持ちが少しわかった。

2022/10/23

登場する著作・作家
ジョルジョ・ヴァザーリ　芸術家列伝　白水uブックス
ヤマザキマリ　男性論ECCE HOMO　文春新書
レオン・バティスタ・アルベルティ　絵画論
アルブレヒト・デューラー　人体均衡論、測定術教則
シェイクスピア　ロミオとジュリエット
ダンテ　神曲
エルンスト・カントーロヴィチ　皇帝フリードリヒ二世　中央公論新社
トマス・アクィナス　神学大全
ペトラルカ
小松左京　日本沈没、復活の日
ボッカチオ　デカメロン
プリニウス　博物誌
塩野七生　ルネサンスとは何であったか
空海
最澄