辛口サイショーの人生案内 コーヒーと一冊5

最相葉月(著者)

• 販売会社／発売会社: ミシマ社
• 発売年月日: 2015/12/01
• JAN: 9784903908717

商品レビュー

2024/07/01

辛口の回答で知られる新聞の人生相談欄だというので興味を持って読んでみた。新聞の人生相談というのは料理のしようでとても面白い読み物になることがあり、昔は天野祐吉の回答が好きだったなあなどと思い出してちょっとワクワクしながら手に取った。のだが。あまりに十年一日のごとき内容に、これはいつ面白くなるんだろうとページをめくる手が止まらずあっという間に読み切ってしまい、呆然。思わず奥付を確認したが、2015年初版であった。かろうじて令和ではないとはいえ平成も押し詰まった時期に、この内容なのか……。失われた何十年とかいうのはこういう意味だったのか。
しかしこれは回答者の最相葉月のせいではあるまい。嫁姑とか不倫とか語り尽くされているテーマがなお相談として投稿されそれを掲載する読売新聞紙上という特殊空間のなせる技であろう。今どき新聞紙上で身の上相談って、絶滅危惧種かと思っていたら現存するんですね。
そして最相葉月の回答がごくまっとうに愛の鞭的なのもやむを得ないのであろう。かつての中島らも「明るい悩み相談室」のようなウィットの効いた回答をしたのでは、このご時世にこんな質問をする御仁に通じるはずもないからである。最相葉月なので文章は読みやすく、その点にストレスがなくちゃっちゃと読めたのは幸いであった。実際、私にとっては「いまさら？」と思う質問でも、人によってはなるほどと思うものもおそらくないわけではないのであろうから、悩み事があってちょっと気分転換がてら軽い読み物でも、という向きにはもしかしたら有益なのかもしれない。
というわけで、別の意味で貴重な人生経験ができたという意味で興味深かった。

2024/04/02

この前読んだのが第二弾。こちらが第一弾。
やはりのキレで読んでいてにやりとすることも。
人の数だけ人生があるなぁと思う。

ーー人を羨む気持ちがどこから来るのかに気づいて楽になった。正体は根拠のない優越感だった。

2023/04/02

気持ちいいほどにバッサバッサと切っていく。「罪悪感に苛まれれば良いのです。弁解無用です。」「問われているのは条件ではなく、覚悟です」「自分がどれだけプライドが高い人間であるかを知っていただけたと思います。」