アヴロ・ランカスター 世界の傑作機No.170

文林堂

• 販売会社／発売会社: 文林堂
• 発売年月日: 2015/11/30
• JAN: 9784893192417

商品レビュー

2017/12/18

英国が独自のドクトリンに基づき開発した爆撃機をホームで使ったという飛行機。

戦略爆撃がドイツ人の士気をあまり落とす効果がなかったらしいとか、爆撃の効果が悲惨すぎたとかで、スピットファイアやハリケーンなどの活躍に比べて爆撃機乗りの戦果はあまり認められていないとか。都市の被害の悲惨さと比べてもむなしいだけではあるが、ランカスターで出撃して55000人もの若者が戦死したというのは戦争の壮絶さを改めて知る。

とはいえ戦艦ティルピッツ撃沈やオーバーロード作戦前の爆撃など、ランカスターの勝利への貢献は小さくないだろう。

戦略爆撃理論は前の大戦で見直しが入ったとは思うが、それでも英国が核保有国であり続けるところは、やはりそれが英国人らしいドクトリンということなのかとも思う。

アメリカの戦略爆撃はどちらかというと、ルメイのパーソナリティが大きく出てる感じ。

爆撃機で国民性を語ってもしょうがないか。

とはいえ、東からの侵略者を「HUN」と呼び迎え撃った英国。遠いフォークランド諸島の侵略を受け入れず奪還した英国。そんな英国がぎゅっと詰まった飛行機のひとつではある。