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発情装置 新版 岩波現代文庫 学術335
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2015/11/30 |
| JAN | 9784006003357 |

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発情装置 新版
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商品レビュー
3
7件のお客様レビュー
個人的な上野千鶴子さんのイメージは フェミニズムの急先鋒、といったところで、 あまりポジティブなイメージはなかったけれど、 かといって当人の言論を直截見たことはなかったので読んでみた。 序盤は面白い立ち位置から興味深い言論が展開されていた。 近代になって“使用禁止の性”が生まれ...
個人的な上野千鶴子さんのイメージは フェミニズムの急先鋒、といったところで、 あまりポジティブなイメージはなかったけれど、 かといって当人の言論を直截見たことはなかったので読んでみた。 序盤は面白い立ち位置から興味深い言論が展開されていた。 近代になって“使用禁止の性”が生まれたとあって、 ほかのところで読んだ“青年期は近代の産物”という話と合わさってとても腑に落ちた。 売春と買春についても男性の目線が色濃く出た言論が罷り通っているのはその通りだと思った。 中盤以降は“フェミニズム”と聞いて思い浮かびそうなネガティブな部分が顔を出してくる。 初めのほうから不要に男女を対立構造にして語っていたけれど、 男女の性の非対称性というあまりにも自明の部分に噛みついたり、 個人の恋愛観を有名人であるという免罪符を高々と掲げてこき下ろしたりしている。 エッセイのような形式で不快感を示すだけならいくらでも好きにやればいいと思うけれど、そこまでの文脈と合わない切り口に感じた。 男性個人から向けられる視線と社会から向けられる視線をごっちゃにして語っているように感じられた。 「戦争は女の顔をしていない」というのは最近また脚光を浴びる言い回しになった印象があるけれど、そもそも社会だって女の顔はしていなかった。 今でも社会での男女の不平等を語るときにまず初めに登場する指標は「賃金差」であって、つまり社会という場は「カネを稼ぐ場」、つまり飯のタネを掴む場、原始的には狩りだったものの代替として語られるものである。 出産という過程を男性が代わりにできるものでない以上、男女の賃金が完全に平等(見かけ上)な社会というのは、全く子どもが生まれなくなったか、もしくは会社が大きな負担をしている社会ということになる。 事実誤認もある。 性の隔離を批判しているところがあるけれど、少なくとも日本における性の隔離は差別ではなく役割による区別による部分が大きい。 修験道で女体とされる山やほこらが女人禁制になっていることを「逆説」だとしている。 これは女性である山に女性が入ると山が怒るから、というのが定番の言い回しで、これは女性に対する畏れ、敬意の表れになる。 また、山という危険な区域に女性を入れてむざむざ喪うわけにはいかない、という事情もあるように思う。 社会における“男女平等”が金銭面で表現されるうちは、その向かう先はディストピアにしかならないし、フェミニズムの目指すべきところは平等の定義づけだと思う。 社会がどうしても金銭の多寡でしか語れないのであれば、新生児の金銭的価値を社会的に定義づけするしかないのではないかなー、と思ったりした。
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上野千鶴子の主張から垣間見えるのは、もちろん豊富なソースを駆使した主張であることはたしかであるけれど、同時に現代風にさまざまなスパイスを加えて口当たりよくしてスパスパと短文で畳み掛けるように「斬って」いくやり方だ。よく言えば快刀乱麻の斬れ味で斬っていくから(ぼくもつい「斬られる側...
上野千鶴子の主張から垣間見えるのは、もちろん豊富なソースを駆使した主張であることはたしかであるけれど、同時に現代風にさまざまなスパイスを加えて口当たりよくしてスパスパと短文で畳み掛けるように「斬って」いくやり方だ。よく言えば快刀乱麻の斬れ味で斬っていくから(ぼくもつい「斬られる側」にいることを忘れて)魅入ってしまう。反面、その論理(ひいては直感)の乱暴さに辟易したりもする(少なくとも、ぼくは「男」かもしれないが「レイピスト」になりたいと思ったことは1度もないので)。だが、このスパイスは慣れるとクセになる?
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ヒトを「パンツをはいたサル」と呼んだのは栗本慎一郎だが、パンツ(=文化)という装置がなければ人がまともに発情できないことくらい、良識ある大人なら誰しも薄々感じている。あのパンツが気に入らない、このパンツが窮屈だなどと言い出せば、早晩間尺にあったパンツがどこにもないと途方に暮れるの...
ヒトを「パンツをはいたサル」と呼んだのは栗本慎一郎だが、パンツ(=文化)という装置がなければ人がまともに発情できないことくらい、良識ある大人なら誰しも薄々感じている。あのパンツが気に入らない、このパンツが窮屈だなどと言い出せば、早晩間尺にあったパンツがどこにもないと途方に暮れるのは見易い道理だ。文化のカラクリを暴くのが社会学の使命だとしても、暴き尽くした果てに広がる荒涼たる砂漠に立ち尽くす覚悟が社会学者にあるか。 上野にその覚悟がない筈はない。だが性愛を巡る過激な闘いの果てに彼女が漏らした嘆息は限りなく深く、そして重い。「性愛についてありとあらゆる問いが解かれた後に、解くに解けない問いが残った。孤独の問題である。振り出しに戻った思いがする」。近代の「ロマンチックラブイデオロギー」は孤独を隠蔽し、支配と被支配の調和の物語を押し付ける。孤独をくぐり抜けない性愛は他者を要しないオナニストの性欲と変わりない。真の性愛を望むなら孤独を味わい尽くせ、そして他者との葛藤と交通に身を晒せというわけだが、そもそもフェミニズムが告発する「ロマンチックラブイデオロギー」なるものは、都市化の進展と共同体の解体が招いた孤独が出発点ではなかったか。であればまさしく「振り出し」であり、堂々巡りだ。 ジェンダーフリーとは男が「男」であることを、女が「女」であることを強いられることのない"自由な"社会だ。だがフロイディズムの家父長制的イデオロギーが暴露され、「セックスというお仕事」が市民権を得たとしても、「視る性」と「視られる性」の非対称性は簡単にはなくならない。そのことを知っている上野は自らの党派性をあっさりと肯定する。そして生き延びるために敵と見定めたものにケンカを挑み続ける。上野にとって社会学やフェミニズムはそのための武器であり、それ以上でも以下でもない。だが自らを党派的と公言する者にとことん党派的な者はいない。その挑発的なスタイルにもかかわらず、彼女の思想が清潔さを失わないのはそのためだ。 ※アマゾンではガイドライン違反として削除(どこが違反なのか分からない)
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