1,800円以上の注文で送料無料

発情装置 新版 岩波現代文庫 学術335
  • 中古
  • 書籍
  • 文庫

発情装置 新版 岩波現代文庫 学術335

上野千鶴子(著者)

追加する に追加する

発情装置 新版 岩波現代文庫 学術335

定価 ¥1,672

770 定価より902円(53%)おトク

獲得ポイント7P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2015/11/30
JAN 9784006003357

発情装置 新版

¥770

商品レビュー

3.2

7件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/05/04

上野千鶴子の主張から垣間見えるのは、もちろん豊富なソースを駆使した主張であることはたしかであるけれど、同時に現代風にさまざまなスパイスを加えて口当たりよくしてスパスパと短文で畳み掛けるように「斬って」いくやり方だ。よく言えば快刀乱麻の斬れ味で斬っていくから(ぼくもつい「斬られる側...

上野千鶴子の主張から垣間見えるのは、もちろん豊富なソースを駆使した主張であることはたしかであるけれど、同時に現代風にさまざまなスパイスを加えて口当たりよくしてスパスパと短文で畳み掛けるように「斬って」いくやり方だ。よく言えば快刀乱麻の斬れ味で斬っていくから(ぼくもつい「斬られる側」にいることを忘れて)魅入ってしまう。反面、その論理(ひいては直感)の乱暴さに辟易したりもする(少なくとも、ぼくは「男」かもしれないが「レイピスト」になりたいと思ったことは1度もないので)。だが、このスパイスは慣れるとクセになる?

Posted by ブクログ

2023/12/30

ヒトを「パンツをはいたサル」と呼んだのは栗本慎一郎だが、パンツ(=文化)という装置がなければ人がまともに発情できないことくらい、良識ある大人なら誰しも薄々感じている。あのパンツが気に入らない、このパンツが窮屈だなどと言い出せば、早晩間尺にあったパンツがどこにもないと途方に暮れるの...

ヒトを「パンツをはいたサル」と呼んだのは栗本慎一郎だが、パンツ(=文化)という装置がなければ人がまともに発情できないことくらい、良識ある大人なら誰しも薄々感じている。あのパンツが気に入らない、このパンツが窮屈だなどと言い出せば、早晩間尺にあったパンツがどこにもないと途方に暮れるのは見易い道理だ。文化のカラクリを暴くのが社会学の使命だとしても、暴き尽くした果てに広がる荒涼たる砂漠に立ち尽くす覚悟が社会学者にあるか。 上野にその覚悟がない筈はない。だが性愛を巡る過激な闘いの果てに彼女が漏らした嘆息は限りなく深く、そして重い。「性愛についてありとあらゆる問いが解かれた後に、解くに解けない問いが残った。孤独の問題である。振り出しに戻った思いがする」。近代の「ロマンチックラブイデオロギー」は孤独を隠蔽し、支配と被支配の調和の物語を押し付ける。孤独をくぐり抜けない性愛は他者を要しないオナニストの性欲と変わりない。真の性愛を望むなら孤独を味わい尽くせ、そして他者との葛藤と交通に身を晒せというわけだが、そもそもフェミニズムが告発する「ロマンチックラブイデオロギー」なるものは、都市化の進展と共同体の解体が招いた孤独が出発点ではなかったか。であればまさしく「振り出し」であり、堂々巡りだ。 ジェンダーフリーとは男が「男」であることを、女が「女」であることを強いられることのない"自由な"社会だ。だがフロイディズムの家父長制的イデオロギーが暴露され、「セックスというお仕事」が市民権を得たとしても、「視る性」と「視られる性」の非対称性は簡単にはなくならない。そのことを知っている上野は自らの党派性をあっさりと肯定する。そして生き延びるために敵と見定めたものにケンカを挑み続ける。上野にとって社会学やフェミニズムはそのための武器であり、それ以上でも以下でもない。だが自らを党派的と公言する者にとことん党派的な者はいない。その挑発的なスタイルにもかかわらず、彼女の思想が清潔さを失わないのはそのためだ。 ※アマゾンではガイドライン違反として削除(どこが違反なのか分からない)

Posted by ブクログ

2022/04/15

東大名誉教授として、東大入学生への彼女の祝辞は、東京医科大学の受験における女性差別から、メタ知識の重要性で締め括る、とびきりクールで理知的なスピーチだった。ただのフェミニストではなく、知性を感じる公平な内容。 本著を開いて一瞬、そのギャップにびびるが、本質は同じ。女性器の名称を...

東大名誉教授として、東大入学生への彼女の祝辞は、東京医科大学の受験における女性差別から、メタ知識の重要性で締め括る、とびきりクールで理知的なスピーチだった。ただのフェミニストではなく、知性を感じる公平な内容。 本著を開いて一瞬、そのギャップにびびるが、本質は同じ。女性器の名称を連呼し、隠された性の不自然さ、背後の差別意識をとことん追求する。女性の性欲を肯定したい。何故、昔の女性は性行為を苦痛に感じたか。女性が性快楽を自ら求めたら不都合でもあるのか。 女体が記号化されている、との表現は目を引いた。確かに、陰部だけで、強烈に扇情的な力を持つ女性器だが、それが肉体としての繋がりがイメージされず、パーツだけ、かつ、意味付けや記憶が無ければ、男性は恐らく発情しない。ただの肉の造形だ。しかし、それが発情装置として、文化的意味を持つようになる。性行為や性欲は、文化、制度の延長線にある、というのは共感できる内容だった。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品