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大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち ヤマケイ新書
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大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち ヤマケイ新書

藤井一至(著者)

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大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち ヤマケイ新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 山と渓谷社
発売年月日 2015/11/20
JAN 9784635510226

大地の五億年

¥935

商品レビュー

4.2

5件のお客様レビュー

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2022/05/22

(01) 人間と切れない、その足元にある土について、展開される知見は世界の見方を一新してくれる。酸性であること、植物の根と共生した菌があること、その上で生産者である植物の必須となる窒素、リン、カリがどのように集められ、なぜ不足するかということ、土の色や味の違いや数億年前からの堆積...

(01) 人間と切れない、その足元にある土について、展開される知見は世界の見方を一新してくれる。酸性であること、植物の根と共生した菌があること、その上で生産者である植物の必須となる窒素、リン、カリがどのように集められ、なぜ不足するかということ、土の色や味の違いや数億年前からの堆積の変遷も、それぞれが関係づけられながら、今ここにある土のかけがえのなさに気付かされる。 様々な例え話があり、それらはわかりにくい土を噛み砕いて説明するための方便ではある。分解者たちの動きは人間の目にはほとんどとらえられないため、それが人間の目にしている現象に置き換えて説明される。 植物はこうした分解者や外生菌根菌などの働きを使って(*02)、その根元にある土を変換しながら生きてきたとも言える。人間もこうした言葉を駆使して、景色を一新し、置き換えながら文化を築いていくものなのかもしれない。 (02) このような土と植物の関係を従来からの「共生」とは呼ばず、また意図的にその言葉を避けながら、「せめぎあい 」とサブタイトルに用い、また本文でも、契約や経済的関係としてとらえ直しているところに、著者の世界観が見え隠れしている。

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2020/08/20

地球の歴史を土と言う観点からまとめた本。人類の発展も 文化、文明の発展、衰退も根本は土によるもの。現在の経済、領土争い、エネルギー争いもしかり。 酸性、アルカリ土壌に関しては成分の可科学的知識があれば もっと深く理解できただろうに。 日記にメモを残しながら読みすすめた。手元に置き...

地球の歴史を土と言う観点からまとめた本。人類の発展も 文化、文明の発展、衰退も根本は土によるもの。現在の経済、領土争い、エネルギー争いもしかり。 酸性、アルカリ土壌に関しては成分の可科学的知識があれば もっと深く理解できただろうに。 日記にメモを残しながら読みすすめた。手元に置きたい本である。

Posted by ブクログ

2016/10/03

土壌の栄養分や酸性に進行する原因がわかりやすい。焼畑は、酸性土壌への対策としても位置づけられるという指摘に合点した。 植物は、カリウムイオンやカルシウムイオンなどの陽イオンを多く吸収するために、代わりに水素イオンを放出する。コケや地衣類も岩との接触面で有機酸を放出し、リンやカル...

土壌の栄養分や酸性に進行する原因がわかりやすい。焼畑は、酸性土壌への対策としても位置づけられるという指摘に合点した。 植物は、カリウムイオンやカルシウムイオンなどの陽イオンを多く吸収するために、代わりに水素イオンを放出する。コケや地衣類も岩との接触面で有機酸を放出し、リンやカルシウム、カリウムなどを獲得する。微生物は落ち葉を分解すると、有機酸や炭酸、硝酸などの酸性物質を放出する。植物や微生物の働きによって、土は酸性に変わっていく。日本は降水量が多いため、生物の活動が盛んで酸性物質の放出が盛んで、カリウムやカルシウムなどが雨とともに洗い流されるため、土は酸性になる。土がpH4〜5の酸性になると、粘土が破壊されてアルミニウムイオンが溶け出し、植物の根の成長や水と養分の吸収を阻害する。 リグニンが分解された断片は、芳香族化合物を多く含み、微生物による分解には数年かかる。雨とともに土の中へ浸透し、粘土に吸着して腐植となる。日本には、吸着力の強い粘土(アロフェン)を多く含む火山灰土壌が多く、溶存有機物の99%を数分で吸着するため、土壌を通過すると透明な水が放出される。 泥炭土や永久凍土が夏に溶けてリンや鉄が溶け出して川に流れると、北極海では植物プランクトンが大繁殖し、植物連鎖のにぎわいを起こす。 湿潤地では水に恵まれるが土が酸性になる。乾燥地では水が少ない代わりに土壌酸性化の問題がない。乾燥地で酸性土壌を回避する方法が灌漑農業であり、湿潤地で酸性土壌とうまく付き合う方法が焼畑農業や水田だった。 クロボク土は灌漑水の漏れが多く、リンやケイ素が欠乏しやすい。沖積土における稲作は、クロボク土における雑穀生産の数倍になる。室町時代以降に湿地帯や沖積平野の新田開発が進んだため、生産量が増加した。 糞尿などの有機質肥料は弱アルカリ性のものが多く、酸性土壌の中和に働くが、人工合成された硫安は土を酸性にする性質がある。東南アジアのアブラヤシ農園では、日本の畑の6倍にもなる1haあたり年間600kgの窒素が撒かれている。

Posted by ブクログ

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