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噺のまくら P+D BOOKS
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2015/11/01 |
JAN | 9784093522397 |
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噺のまくら
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商品レビュー
3.5
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落語家・三遊亭圓生(1900-1973)の、落語口演の際の「まくら噺」だけを集めた、まあ一種のエッセイ集。 さすが博学、「江戸では湯屋という。上方では風呂屋」みたいな蘊蓄が満載。 江戸、京都、大阪、奈良の町の特徴を歌い上げる文句なんて、素敵だなあ、と。 ですが芸風そのもので、...
落語家・三遊亭圓生(1900-1973)の、落語口演の際の「まくら噺」だけを集めた、まあ一種のエッセイ集。 さすが博学、「江戸では湯屋という。上方では風呂屋」みたいな蘊蓄が満載。 江戸、京都、大阪、奈良の町の特徴を歌い上げる文句なんて、素敵だなあ、と。 ですが芸風そのもので、端正でやや淡泊。 まくらだけ集めて、それほど面白くもありませんでした。 (一応言っておきますと、落語自体はものすごく面白い人です。怪談ものとか、人情噺とかの、もう「帝王」と呼びたい。) (同じ「まくら本」で言うと、やはり柳家小三治さんの「まくら」の方が数倍面白かった) # この場で激しく褒めあげたいのは、「P+D BOOKS」というブランド?ですね。 小学館さんがやってるンですけど、これはつまり、「他社が絶版にした本を、金をかけずに再版する」という試みです。 例えばこの「噺のまくら」だと、どうやら1981年に講談社から出た本です。もう圓生さんは死んでますね。遺族がOKしたんでしょう。 これがどうやら、講談社では文庫にしなかった。で、朝日新聞社の朝日文庫で、文庫化されました。 ただそれもどうやら相当以前に絶版になって、それを小学館の「P+D BOOKS」が再版したわけです。 「P+D BOOKS」は、なかなか挑戦的。とにかく金をかけていない。この本もそうですが、文庫本サイズで、「カバー」がありません。ペーパーバック。 恐らく国際的に見れば?(まあ見る必要もないんですけれど)日本は本に凝って、本の値段が高い国なんだと思います。比較すれば、恐ろしく本が好きな国民でしょうから。 だから、いちばん安くていちばん「使い捨て」に近いはずの文庫本も、各社きれいなカバーに包んでいます。(さらに書店がけっこうきれいなカバーをくれたりします) そこを、「P+D BOOKS」はやめちゃいました。ほぼほぼ画一的なシンプルデザイン。かつペーパーバック。素晴らしい。 だって、とにかくこういう本が安価に読めるとい選択肢があることがいちばん大事ですからね。 と、書くと、コンセプトとしてはちくま文庫とガチンコぶつかる感じですね。でも、どっちもがんばっていただきたい。応援します。
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圓生の「まくら」ばかり65編。 まくらだけで「古きよき昭和」の情景が目に浮かぶのは、やはり名人なんだろう。 「これはあの噺のまくらでは?」と推測しつつ、最後に答え合わせするのもまた楽し。 まくらといえば談志の「まくらコレクション」があるが、「才気走ってますよ、あたしゃ」という感じ...
圓生の「まくら」ばかり65編。 まくらだけで「古きよき昭和」の情景が目に浮かぶのは、やはり名人なんだろう。 「これはあの噺のまくらでは?」と推測しつつ、最後に答え合わせするのもまた楽し。 まくらといえば談志の「まくらコレクション」があるが、「才気走ってますよ、あたしゃ」という感じが私にはどうもちょっとね……。 こういう本が500円というのは良心的だなぁ。その分、装丁なんかはテキトーだけど、それがまたいい。
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頂き物を拝読。 P+D BOOKSというのは、小学館から出た新しいレーベルで、2015年5月に創刊されている。Pはペーパーバック、Dはデジタルであり、紙と電子書籍が同時に刊行されるスタイルである。ラインナップには、昭和の埋もれた名著でありながら、現在入手しにくい作品が並ぶ。いさ...
頂き物を拝読。 P+D BOOKSというのは、小学館から出た新しいレーベルで、2015年5月に創刊されている。Pはペーパーバック、Dはデジタルであり、紙と電子書籍が同時に刊行されるスタイルである。ラインナップには、昭和の埋もれた名著でありながら、現在入手しにくい作品が並ぶ。いささか渋い、玄人好みな雰囲気である。 ペーパーバックはB6版とやや大きめだが、見た目より軽量で、価格も安価である(本書の場合は233ページで500円+税)。表紙がそれぞれの作品のイメージを複数色の横縞で現したデザインで統一されていてなかなかおもしろい。本書は黒・柿色・萌葱色で、寄席の定式幕(じょうしきまく)のイメージである。歌舞伎の舞台や、お茶漬けやせんべいのパッケージなどでもおなじみだろう。 さて、本書は、落語界、昭和の大名人である三遊亭圓生の「まくら」集である。まくらといえば、落語の本題に入る前の導入部分で、小話だったり、オチに関係する基礎知識などを語り、客の心を掴むものである。これが65編収められ、その内容を示すタイトルや、本来どの噺のまくらだったのかも記されている。 どの話も短くて細切れ時間にも読める。 圓生は明治生まれで、活躍した時期は昭和だが、読んでいるとすぅーっと地続きに江戸が見えてくる感じがある。銭湯や五節供、通夜に葬式といった庶民の風習、音曲師や幇間(たいこもち)や都々逸詠み、呑気でありつつこだわりのある江戸っ子気質。川柳やら狂歌やらを散りばめ、ときに下ネタも混じるのだが、これがまた直接的でないのに何やら生々しくて奥深い。 圓生の生きていた頃は、まだ実際に江戸のものが息づいていて、自身が触れたもの、師匠世代から受け継いだものが、すぐ手の届くところにあったのだ、という感触が伝わってくる。 そうでありつつ、この話はどうつながっていくのかと先への興味を惹かれるのは、さすが、名人の話術というところか。 ないものねだりで本題の噺が読みたく(聞きたく)なってしまうのが難といえば難だが、非常に味わい深い、江戸へとタイムスリップするような、奥行きのある1冊である。
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