現代語訳 申楽談儀 世阿弥からのメッセージ

観世元能(著者), 水野聡(訳者)

• 販売会社／発売会社: 桧書店
• 発売年月日: 2015/11/01
• JAN: 9784827909999

商品レビュー

2019/06/03

世阿弥 が実子 元能に語った伝書 「申楽談儀 」檜書店 。末尾のendnotes のおかげで 何とか読めた。興味深いのは 芸位、観阿弥評、かかり(風情、情緒、余情)

「観客をどっとわかせるのは芸位が低い」「上手の上に 面白い という芸位がある」とは 何となく 哲学的

観阿弥について 「極めて道を平らにした」という記述は 開拓者として 次世代が通りやすくしたという意味だろうか。

芸位
＊初心にも及ばない低い芸位＝観客をどっとわかせる
＊上手な芸位＝物まねを修得して鍛錬を重ねる
＊面白い芸位＝上手の上＝いくら似せようとしても似せられない

観阿弥 評
＊上三花の頂上を極めても道を平らにし
＊中三位に上がっても道を開き
＊下三位に下り 塵に交わる

能のポイント
＊能の決まりを わきまえるべき
＊能は万事 かかりが大切
＊全ての演技の基本には心根がある〜心根をわきまえれば 所作、かかりを表せる
＊能は 観客の登場人物への感情移入が大事

面白い言葉
「砕動風の鬼」人の心を残す鬼
「心根」能の主題や意図、役者や作者の心遣い
「かかり」風情、情緒、余情