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水中考古学 クレオパトラ宮殿から元寇船、タイタニックまで 中公新書2344
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2015/10/24 |
JAN | 9784121023445 |
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水中考古学
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簡単には行けない場所の話を聞くのが好き笑 シュノーケリングですらろくに潜れない自分からすれば、海底遺跡はまさに夢のような場所である。 水中考古学者である著者が、海底遺跡及びその調査方法を順次解説。水中考古学を修得すべく、アメリカの大学に留学。卒業後は恩師のよしみで調査に携わり、...
簡単には行けない場所の話を聞くのが好き笑 シュノーケリングですらろくに潜れない自分からすれば、海底遺跡はまさに夢のような場所である。 水中考古学者である著者が、海底遺跡及びその調査方法を順次解説。水中考古学を修得すべく、アメリカの大学に留学。卒業後は恩師のよしみで調査に携わり、徐々にそのフィールドを広げていく。大学に最精鋭の調査チーム、そして海底遺跡…夢のような場所に自ら行く、ではなく飛び込む人生ですか…! ・第一章: ツタンカーメン王への積荷 ’82年トルコ海域。ツタンカーメン王時代の、王家への寄贈品を積んだ船が発見される。鳥肌なのが、ある遺物の発見場所から沈没年代(紀元前1,300年頃)を推定していること。状態が良ければここまで分かるのか…! ・コラム1: 「引き揚げてから」が考古学 イギリスのメアリーローズ号他2船を例に、遺物引き揚げ後の保存処理について触れる。 中でもメアリーローズ号の修復作業は大掛かりだったが、骨まで残っていたのは流石に信じられなかった。437年間も海の牢獄にいたなんて……ゴクリ。 ・第二章: 元寇船の発見 今の教科書は"元寇"ではなく"蒙古襲来"らしい。(ヒソヒソ声) 船の発見場所は長崎県 鷹島沖。何とあの「てつはう」も現物で見つかっている。おかげで、その素材や殺傷能力の高さまで一気に調べがついた。なかなかに世紀の大発見では!? ・コラム2: 女王クレオパトラの海中宮殿 大地震で水没したアレクサンドリア遺構・ファロス大灯台を指す。遺跡の噂があったにも拘らず、政府が港湾整備を進めかけていたのは初耳! ・第三章: 海を渡った日本の陶磁器 肥前磁器のこと。メジャーだった中国磁器にも負けない上質なつくりで、やがてヨーロッパ、果ては南アまで輸出されるようになる。あまりに縦横無尽な交易図…これはこれで、別で興味が湧いた。 ・コラム3: 近代の海難事故 和歌山県串本町沖に沈んだトルコのエルトゥールル号、そしてかの有名なタイタニック号。両船の引き揚げは依然されておらず、特にタイタニックは水深3,800メートルにあるとか…映画にはない"その後"も胸に刻んだ。 ・第四章: 中国の沈船、韓国の沈船 中国では干潮時に古船が、韓国では漁民の網に陶磁器が掛かったことから沈没船の存在が明らかになる。水中考古学の調査経験が浅かった両国がノウハウを得ていく過程もドラマの一つ。 ・終章: 千葉県勝浦沖に沈む黒船ハーマン号 戊辰戦争時に熊本藩がチャーターした蒸気船だが、千葉県沖にてシケに遭い破船。無酸素状態だったとは言え、洋食器や燃料の石炭まで原形を留めているのが陸上では敵わないところ… 振り返れば「…」の多いこと笑 水中の出来事なのに息をのんでばかりいた。 地球上の海底遺跡を調べ尽くしたら、一体どのくらいの歴史が解明される…?
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海賊、トレジャーハント、というようなロマンチックな切り口から楽しむこともできる新書だが、それだけではなく知的好奇心を満たしてくれる。 世界中の海底に沈没した船の調査で、日本の肥前焼が出土するその分布から中世・近世の交易ルートをたどる等々、学問的切り口から見ても硬派な一冊である。...
海賊、トレジャーハント、というようなロマンチックな切り口から楽しむこともできる新書だが、それだけではなく知的好奇心を満たしてくれる。 世界中の海底に沈没した船の調査で、日本の肥前焼が出土するその分布から中世・近世の交易ルートをたどる等々、学問的切り口から見ても硬派な一冊である。 伊万里湾の海底に沈む元の船の碇が横たわる向きから、「神風」の風向きが推測出来る等々、非常に面白いと感じた。
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一攫千金を狙って沈没船の金銀財宝を引き上げようとする海底深くに 潜るトレジャーハンターがいる一方で、学術調査の為に海に潜る人 たちがいる。 本書は後者のお話。トレジャーハンターも学術調査も、海の深くで 眠る獲物を発掘するのってロマンだと思うわ。 地上の遺跡と違って発...
一攫千金を狙って沈没船の金銀財宝を引き上げようとする海底深くに 潜るトレジャーハンターがいる一方で、学術調査の為に海に潜る人 たちがいる。 本書は後者のお話。トレジャーハンターも学術調査も、海の深くで 眠る獲物を発掘するのってロマンだと思うわ。 地上の遺跡と違って発掘作業には困難が伴う海底という条件からか、 水中考古学の歴史は意外と浅いのだ。ダイバーが潜水できる時間も 限られているし、堆積物などを取り除きながらの作業になるので 時間もかかる。 それでも、技術の発達で近年では事前調査で、沈没船の位置などの 特定がある程度正確になってはいるようだ。そのうち、人間が潜ら なくても沈没船の調査・引き上げが出来るようになるのかな。 引き上げた沈没船の保存の為の処理や、船と共に沈んだ生活用品 から当時の文化を知る部分は面白かった。 ただ、本書では沈没船の事例ばかりで海底遺跡についてはエジプト・ アレキサンドリア沖のクレオパトラの海底神殿だけだったのが残念。 インドのドワールカ神殿や、与那国島の海底遺跡の話もあるかと 思ったんだよな。沈没船にもロマンはあるが、海底遺跡ってそれ 以上に想像を掻き立てられるのだ。 だから、個人的にはこの辺りの話がもう少し欲しかった。沈没船の 事例ばかりなので中だるみしてしまったのは、読み手である私の期待 と若干ずれていたからかな。 まだまだ若い学問である水中考古学の概論というところか。
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