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伝説のイエロー・ブルース
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伝説のイエロー・ブルース

大木トオル(著者)

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伝説のイエロー・ブルース

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 トゥーヴァージンズ
発売年月日 2015/10/26
JAN 9784908406010

伝説のイエロー・ブルース

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2024/06/07

 後期高齢者になった今、本書のような若さのエネルギーとヤケッパチのような意地を支えに未知の世界を切り開いていった日々の記録を読むと、団塊の世代というのは意外とチャンスに恵まれた世界だったのかもしれないとも思う。  もっとも、そんな思いは当時の苦しさとか悔しさ等々の記憶が薄れて、老...

 後期高齢者になった今、本書のような若さのエネルギーとヤケッパチのような意地を支えに未知の世界を切り開いていった日々の記録を読むと、団塊の世代というのは意外とチャンスに恵まれた世界だったのかもしれないとも思う。  もっとも、そんな思いは当時の苦しさとか悔しさ等々の記憶が薄れて、老いぼれてしまった今だからこそ持てる感慨なのかもしれない。

Posted by ブクログ

2019/10/21

読売新聞「時代の証言者」欄に2019.9月から10月にかけて連載されていた大木トオルさんの伝記(執筆:小梶勝男編集委員)がすごく面白かった。 連載第4回では、ブルースはかっこいいと憧れるものじゃ決してなく「魔」のようなもので、自分の中に入り込んで気がついたら取り憑かれている、なん...

読売新聞「時代の証言者」欄に2019.9月から10月にかけて連載されていた大木トオルさんの伝記(執筆:小梶勝男編集委員)がすごく面白かった。 連載第4回では、ブルースはかっこいいと憧れるものじゃ決してなく「魔」のようなもので、自分の中に入り込んで気がついたら取り憑かれている、なんて書かれている。 私は日本人ミュージシャンなんて音楽を飯のタネや有名欲のため位にしか考えてないヤツばかりと思っていたので、ブルースを“やる”のじゃなく、ブルースを“汗のように身体から噴き出させる”かのような物言いをビシッと決められる日本人がまさか存在するなんて想像していなかった。 そんな中、連載を読み進め、この本を読めば、大木さんはまさに『どっぷりと』ブルースにつかり、日本で“ミュージシャン”とか“アーティスト”とかで括られるペラペラなもんじゃなくリアルなブルースマンだというのがこちらへも匂い立ってくるみたいだった。 この本自体は1983(昭和58)年の出版本が版元を変えて再々版されたもので、大木さんの20代から30代にかけてが書かれている。 でも正直に告白すると、大木さんのことは知らなかった。 それも無理ないかもしれない。だって大木さんが日本で音楽活動をしていたのは1960年代後半からの数年で、そのあと肺の病気のため療養所に2年以上“閉じ込められた”状態に。幼少時に父親の事業失敗で一家離散、愛着ある飼い犬との別れを経験していた大木さんは、死と隣り合わせた入院生活を終えたとき自分が「真っ白な状態」だと自覚し、では自分の中には何があるのかを突き詰めて、それが「ブルース」だと思い知り単身渡米。以後ニューヨークを拠点に活動してきたからだ。 私も含めて日本で生活する者の多くにとって「大木さんが渡米までして求めるブルースって何?」というのが第一印象だと思う。大木さんはタイトルにもなっている「イエローブルース」(たぶん大木さんのオリジナル語)という言葉に強くこだわりを持っている。 大木さんは何もツテのなかった渡米後、幸運な出会いもあって、真っ白な状態の自分が黒人のブルースへ黒く染まっていく。しかし黒人が自分たちのルーツや生活を背景にするのがブルースならば、日本人(イエロー)の自分がするのはブルースと言えるのか?という自問自答は大木さんにもあったようだ。 でも連載第17回にはこう書かれている。奴隷として連れて来られた黒人の子孫が新たな土地の神に出会いその信仰を歌ったのが「ゴスペル」で、目に見えない神を歌うことに対して目の前の生活のリアルを歌うのが「ブルース」だと。ブルースは自分の横にいる愛する人のことや、お金や夢のことや、夢破れ傷ついたことなどを歌うから、小難しくなく直情的だと。(そして黒人の差別や生活困窮の要素が薄まる一方で政治や社会批判へ特化され先鋭化したのが「ラップ」「ヒップホップ」だとも。) 大木さんはアメリカで生活するうちに、自分は黒人でなく、白人でもないが、アメリカでは黒人と同じ「カラード」であり、だから同じ有色人種の黒人のブルースをイエローの自分も歌えるはずだと思い至る。 しかし黒人をなぞり、まねてブルースをすれば、形こそは黒人ブルースそっくりだけど(模倣は日本人の得意とするものだが)、自分の血と肉を鋳型として魂を注ぎ固めそれを喉から絞り出すことで相手の魂を共振させようとするかのような黒人ブルースと似て非なるブルースになってしまう。 大木さんがこだわるイエローブルースとは、黒人ブルースの黄色人種化という単純なものではなく、黄色人種が持つ黒人ブルース魂をストレートにブルース化するという果敢で壮大な挑戦だ。 だからこの本では単なるミュージシャン自伝の枠を飛び越えた、もっと大きな魂の震えが読者に伝わってくる。 この本では、大木さんの奮闘だけでなく、イエローブルースに挑戦する大木さんを同志として迎えるブルースマンについても多く書かれ、それも興味深い。 振り返って大相撲で「やっぱり横綱は日本人が…」と口にする日本人は、この本で黒人ブルースマンのsincerityに触れたら、恥ずかしくていたたまれなくなると思う。

Posted by ブクログ

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