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偶然完全 勝新太郎伝 講談社+α文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2015/10/22 |
JAN | 9784062816281 |
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偶然完全 勝新太郎伝
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商品レビュー
3.5
4件のお客様レビュー
勝新と云う宇宙…。
2024年10月読了。
春日太一著『天才・勝新太郎』を読んだ後で、この本をずっと読み忘れていたことに気付き、慌てて読んだ。でも、春日さんの本も《本書の参考文献》に入っていたから、刊行順としては合っていたのだ。
読後の感想については正直、12章以降と...
2024年10月読了。
春日太一著『天才・勝新太郎』を読んだ後で、この本をずっと読み忘れていたことに気付き、慌てて読んだ。でも、春日さんの本も《本書の参考文献》に入っていたから、刊行順としては合っていたのだ。
読後の感想については正直、12章以降とそれ以前で全く別の本かと思うぐらい、著者の熱量が違う。
資料は駆使しているものの、基本的に『映画』や『時代劇』への思い入れ度が、春日さん等と違い過ぎて、11章までは《週刊誌の特集記事》の域を超えていない。着眼点も《如何にも週刊誌が喜びそうな》興味本位(や俗っぽい逸話)等のエピソードが多く、事実確認が不正確な部分も散見されたが、
それでも《12章以降を読めただけで充分満足》な内容だった。勝新が某政治家の様に『半径○mの男』と呼ばれるに相応しい、愛すべき人物であったことが、文章から伝わってきた。それにしても《資金繰り》の一点だけで、まるで喜劇の様に何度も失敗を重ねる勝新は、笑ってしまう程《純粋》あり、そう云う人に限って「とびきり怪しい儲け話」に引っ掛かってしまうのも、哀しかった。
それは黒澤明にしても同じことで、彼の後半生の作品は、殆ど《資金繰り》に困って作品の質が落ちたり、企画自体が「お流れ」に成るなど、『製作資金の調達』と云う問題は、本書にある勝新のドタバタぶりを笑えなかったのだ。
それでも黒澤本によれば、京都へ来た黒澤を接待する為に、勝新が祇園や先斗町へ繰り出す度に(本書にも出ていたが)、当の黒澤は『(勝新が)連れて行く殆どの店で、出迎えた女将が(ほんの一瞬)嫌な顔をするんだよ(つまり本当は金が無くて殆どツケ払いか踏み倒し)。そういうのって俺(=黒澤)は直ぐに分かっちゃうから、どんなにすごい店であろうと、ちっとも嬉しくないし、(心底歓待されていないみたいで)気分が良くないんだよね。』と語っていたそうだ。
何にせよ、『日本の映画製作には、《資金調達》と云う点において、世界中のどの国よりも難しく、公的に援助するシステムが全く介在しないこと(=国によっては国家補助が出るところも多い)』
『《ジャパニメーションがどうのと》口では何と言っても、わが国の政治家達は国家的な補助や予算を補助するシステム(例えば米国の金融融資方法等)を、何も考えていないこと』
『海外からも指摘される“アニメーション(実写も)の現場の超低賃金問題”について、《国の文化を守る》と云う観点を全く持ち合わせていない政府』…
こうした点からの“問題解決に向けた方策”が考えられなければ、日本の映画やアニメ業界はいずれ他国に取って奪われ、廃れていく一方であるのは昔も今も変わっていない。
左衛門佐
自分はその兄・若山富三郎の殺陣や身のこなしが好きだが、それでもやはり勝新太郎はスゴイ(若山・勝の兄弟は濃すぎる!)。著者は雑誌の連載で勝新太郎と縁を結ぶが、これは人生を変えるほどの縁だと思う。ウラヤマシイ。 芝居以外のことでマスコミにとりあげられるケースが多かったので、そちらばか...
自分はその兄・若山富三郎の殺陣や身のこなしが好きだが、それでもやはり勝新太郎はスゴイ(若山・勝の兄弟は濃すぎる!)。著者は雑誌の連載で勝新太郎と縁を結ぶが、これは人生を変えるほどの縁だと思う。ウラヤマシイ。 芝居以外のことでマスコミにとりあげられるケースが多かったので、そちらばかりに目が行きがちだが、正当な評価がなされていない役者の1人が勝新太郎だろう。 横山やすしもそうだったが、マスコミは騒動を起こす芸人を上から目線で目くじらたてたり、おもしろがったりおもちゃにするだけで、彼らが死ぬと残念がるが、彼らの仕事に対して敬意を表したり讃えることはない。 まぁ、比べちゃいかんのだろうが、最近の俳優(特に若手)の生命力のなさ、存在感のない薄っぺらさはなんだろう……仕事にすべてを賭けている役者、実力も生命力も芸の幅もある役者は今後もう出ないだろうなぁ。
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勝新太郎の映画と私生活のエピソードを書けば面白くないわけがない、と思われるのは著者にとって損なことだろう。そんな予断を持って読み始めたが、やっぱり面白い。日本映画ファンを自称する自分としては、勝新太郎映画をあまり見ていないのはお恥ずかしいのだが、それに加えて、テレビをほとんど見て...
勝新太郎の映画と私生活のエピソードを書けば面白くないわけがない、と思われるのは著者にとって損なことだろう。そんな予断を持って読み始めたが、やっぱり面白い。日本映画ファンを自称する自分としては、勝新太郎映画をあまり見ていないのはお恥ずかしいのだが、それに加えて、テレビをほとんど見ていないので、晩年のテレビ映画の傑作と言われるものを何とか見なくてはと反省している。 映画俳優の伝記としては、著者と勝新太郎との私的な関係のこともあってか、少し思い入れ過剰だと思われるのが残念である と言いつつも次は山城新伍の「おこりんぼ さびしんぼ」(積ん読状態だった)を読んでみようと思っている。
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