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森達也(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2015/10/30
JAN 9784104662036

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商品レビュー

3

3件のお客様レビュー

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2017/08/06

生きていることの意味を、考える。人種、国、偏見、差別。いつの時代も繰り広げられるヘイト。 原因不明の自死をこの小説では「タナトス」と呼び、タナトスに怯え生き急ぐ人々を映し出している。母たちは冷静に生き、父が亡くなっているのもタナトスのヒントなのかな?終わりがあまりに曖昧過ぎて、少...

生きていることの意味を、考える。人種、国、偏見、差別。いつの時代も繰り広げられるヘイト。 原因不明の自死をこの小説では「タナトス」と呼び、タナトスに怯え生き急ぐ人々を映し出している。母たちは冷静に生き、父が亡くなっているのもタナトスのヒントなのかな?終わりがあまりに曖昧過ぎて、少しざんねん。

Posted by ブクログ

2016/06/27

東京オリンピックも中止になった後、衰退する日本の未来を、18歳の高校生が駆け抜ける、近未来の日本を考える。

Posted by ブクログ

2016/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これまた読もうと思った時の記憶が曖昧だが、おそらく著者をキッカケにだと思う。最近よく観るドキュメンタリー映画、そこから監督の相田和弘、長谷川三郎と来て、そのあたりで情報を拾ったか(森達也もドキュメンタリー映画作家)、さらには広河隆一、DAYS JAPANの流れで見つけたのか(よく寄稿している)。ま、そんなところ。2015年の作品なだけに図書館でもけっこう待ちが多かった。 SF作品。舞台は2033年の日本。そこに生きる18歳が主人公だ。突然自殺衝動に駆られる「タナトス」という病気(現象?)が蔓延する世界。それ以外は何も変わらない普通の日本。20年先という近未来的兆候は皆無で、主人公の高校生たちは普通に生活し、授業をさぼって部室でタバコをふかし、男子は異性に思いを馳せることで頭の中も股間も充満しっぱなし。世の中の様子も未来感は全くなく、ガジェットがウエアラブルになってるとか超薄型になってるとか、反重力作用を使って何かが空を飛んでるとかもない。ただひとつ「タナトス」が日本で流行って、日本人だけが感染して、日本だけが世界で孤立している世界。それ以外は極めて”今”なのであった。 となると、考えるのは、この「タナトス」は何の暗喩だろうか?ということ。日本人だけが攻撃され、世界から忌避され憐みの対象となり、人口が減り、産業が衰退していく。文中こんな表現が; 「ポケットの中のウォークマンも、パテントをSONYから引き継いで製造しているのは韓国のメーカーだったはずだ。ハウス食品もトヨタもマツダもNECも三菱も規模を縮小している。大成建設もみずほフィナンシャルグループも伊藤忠商事もサントリーも資生堂も、売り上げや社員数は減少する一方だ。当然だろう。マーケットがどんどん縮小しているのだから。」 うーん、商社代表は青山さんか~。2015年の上梓前に今の勢いを読み取って書いたのだろうか(笑) とにかく、「タナトス」以外はまったく今の日本のままで、「タナトス」の謎解きが主題でないこのお話しは、おそらく今の日本に見て取れる微かな兆候を、「タナトス」という刺激物を投じることによって、大げさに顕在化させているに過ぎない(と読み取った)。 ならば、やるべきことは・・・?? 「世界を否定しないこと」 最後に主人公チャンキは理解する。 「わかった。人を愛す。愛される。日常を維持する。そして世界を恨まない。世界を肯定する。それが抗うこと。それが生きること。」 18歳が見つける、単純でピュアな”解”だった。読み終えた達成感は悪くなかった。 著者には、「人間臨終考」(小学館)「私たちはどこから来てどこへゆくのか」(筑摩書房)という、本作と合わせた”三部作”があるそうな。タイトルから見て、テーマは”命”(あるいは死)だろう。科学に対する造詣も深いようで、本作にも、なかなか興味深い科学的理論の引用箇所があって面白かった。 進化論を引きつつ「タナトス」をマンモスの牙に喩え、 ”巨大なだけで何の役にもたたない牙の重さに耐えかねた最後の毛むくじゃらの巨大な象が足をよろめかせながら倒れこんで息絶えるまで、その加速は止まらない。” と書く。「タナトス」は資本主義、拝金主義、きっとその類を暗喩しているのかもしれない。 ヨシモトリュウメイと名乗る謎深い登場人物は語る。 「なぜ生きものにとって最も大事な物質である水は、凍ると密度が小さくなる例外的な性質を与えられたのか。その理由は何なのか」 ”与えられた”と暗に、すべての摂理が目に見えない大きな力によって支配されていることを言っているのだろうか。 インテリジェント・デザインというか、宇宙や人類は知性ある何かが設計したと考えたという仮説を持ち出し、そこはちゃんとSF感を出していた。 一方で、文化的な話題で引用される音楽、映画、文学の話が、「猿の惑星」のチャールトン・ヘストンだったり、「翼をください」を登場人物みんなで歌ったり、マリー・モレスト号の逸話が出てきたり、およそ今から20年先の未来で流行っているとは思えない、というか未来の高校生が話題にするような例ではないような気がするのだが、自分と年代の近い著者の個人的趣味が出ているようで、悪い気はしなかった。 なかなかの大作だったけど、久しぶりに主人公と同じ18歳になれて、未知の世界、未見の知識の逍遥を楽しめた。若返れた気がする。 これまた古い引用だけど、ボブ・ディランの「MY Back Pages」の歌詞が身に染みる。 ”Ah , but I was so much older then ,I'm younger than that now.” 「あのころの自分よりも、今のほうがずっと若い」

Posted by ブクログ

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