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ブラックライダー(上) 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2015/10/29 |
JAN | 9784101201511 |
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ブラックライダー(上)
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商品レビュー
3.5
9件のお客様レビュー
「世界は瀕死だが、まだ息絶えちゃいない」。“六・一六”により文明を失ったアメリカ大陸。生き残った者は人と牛を掛け合わせた“牛”を喰って命を繋ぐ。保安官バード・ケイジは、四十頭の馬を強奪したレイン一味を追い、大西部を駆ける。道すがら出逢ったのは運命の女コーラ。凶兆たる蟲の蔓延。荒野...
「世界は瀕死だが、まだ息絶えちゃいない」。“六・一六”により文明を失ったアメリカ大陸。生き残った者は人と牛を掛け合わせた“牛”を喰って命を繋ぐ。保安官バード・ケイジは、四十頭の馬を強奪したレイン一味を追い、大西部を駆ける。道すがら出逢ったのは運命の女コーラ。凶兆たる蟲の蔓延。荒野に散るのは硬貨より軽い命。小説の面白さ、その全てを装填した新たなる黙示録。
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北方謙三先生も選評で言われていたが、舞台設定が独特で戸惑うところがあるSF冒険小説。アメリカのゾンビドラマのようなグロくて残酷な舞台設定で繰り広げられるドラマ。でも、そんな少し恐い世界に引き込まれてしまいまった。作家のオリジナル性を強く感じられる見たことのない世界の童話。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読みづらいという声も多いらしいが、サービス精神満点の大娯楽作だった。 登場人物の多さに辟易しないためには、バード、レイン兄弟、ジョアン周りの数名だけ把握してすいすい読めばよい。 私はモブであってもネーミングが面白くて、全員メモを取りながらゆっくり読むことを楽しんだ。 Ⅰではレイン兄弟を追うバードを通じて、荒廃した世界観を味わう。 「明日に向って撃て!」でブッチとキャシディが荒野を延々追われる場面があるが、その舞台を世界荒廃後の荒野に置いた。 人肉食がまだまだ廃れていないという背景もぐっとくる。 Ⅱは打って変わって牛腹と蔑まれたマルコが、蟲の流行から逃れつつ調査する中で、いわば救世主と見做されていく過程。 人間ではないので人生観も異なり、よい意味で冷酷。 蟲の流行した村は焼く。それがⅢへ。 Ⅰでは人生観にまつわるカッコイイ台詞が頻発していたが、Ⅱではカッコイイだけでなく宗教の発生といえるような深い思索が。 またアビアーダ村の移動とともにマジックリアリズムのテイストが入ってくる。ここも面白い。 Ⅲはいってみれば戦争。 ロストテクノロジーも活用して攻め込む討伐隊と、ゲリラ的に応戦する村およびインディアン。 みながみな荒くれでどうしようもない男どもだが、こうしか生きられなかった悲哀、といったものが戦場に美しく散る。容赦なく。 ここにおいて発生する抒情こそが、読書を通じて私が欲しているものだ。
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