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叔母vs.北欧から来た母娘 フランス書院文庫
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叔母vs.北欧から来た母娘 フランス書院文庫

庵乃音人(著者)

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叔母vs.北欧から来た母娘 フランス書院文庫

定価 ¥712

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 フランス書院
発売年月日 2015/10/01
JAN 9784829641149

叔母vs.北欧から来た母娘

¥495

商品レビュー

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2015/11/10

基本はこれまで通りのすれ違い切なさ決壊テイスト

基本的には「黒本」の前作『未亡人兄嫁・三十四歳-蕩けざかり』を踏襲した内容と言える。3人ヒロインで3Pから4Pと畳み掛ける官能クライマックスながら主人公と身も心も真に結ばれるのは……という展開で、争奪戦的な様相を呈しながらもお互いを気遣う優しさと切なさがあり、何よりすれ違いを繰り...

基本的には「黒本」の前作『未亡人兄嫁・三十四歳-蕩けざかり』を踏襲した内容と言える。3人ヒロインで3Pから4Pと畳み掛ける官能クライマックスながら主人公と身も心も真に結ばれるのは……という展開で、争奪戦的な様相を呈しながらもお互いを気遣う優しさと切なさがあり、何よりすれ違いを繰り返す主人公との不器用な、そして、いじらしい愛情の交錯が見られる庵乃官能メロドラマである。 タイトルにも冠された「北欧」はフィンランド人とのハーフな帰国子女【瑠香】が主にエッセンスとして纏っている。主人公と同年の18歳で幼馴染み。金髪碧眼の快活な美少女で幼少期より主人公に想いを寄せているが、主人公の想い人はその母【佐織】35歳である。しかし当然ながら娘のお友達としての慈しみこそあれ男とは意識していない佐織につき、主人公の行動には驚き、戸惑うばかり。届かない想いを抱えながら、後には自己嫌悪に陥りながらも迫ってしまう主人公の迂闊さもあって序盤はとかくほろ苦い。 厳格な態度で常に接してくる叔母(亡父の妹)の【春子】は、第3章の章題に「ツンデレ」とあるものの、どちらかと言うと生真面目過ぎて煙たがられる感じの39歳。不甲斐ない主人公の行く末を案じる余りにキツく当たってしまう関係だったのだが、佐織と瑠香の母娘が一時帰国したことで変わっていく。しかし、その頑強な矜持によって道程は平坦ではなく、これにより中盤もまたほろ苦い。裏腹な言葉を発しながら激しく交わる2人の心は哀しく揺れている。 日が暮れなければ明けないように、本作もまた終盤で光が差し込むまでが重苦しく、主人公の振る舞いにも共感を覚えない面がある。しかし、時間の経過もあって劇的に豹変した佐織をクッションにして描かれる「夜明け前」は春子の名場面と称しておきたい。佐織による小悪魔なお膳立てによるものながら、心の片隅にいつも置いていた主人公への愛が決壊する春子を見てしまっては誰もが太刀打ち不可能であろう。その想いがまた逆説的で、つまり自分が身を引こうとする形で吐露する春子もまた最後まで春子らしかったと言える。 「がに股」や「剛毛」といった作者らしい拘りの描写が盛り込まれた官能面に加え、健気で一途なのに態度が一向に表へ出てこない春子には『独身叔母と人妻と高校生』(著:神瀬知巳)の叔母を彷彿とさせる一面があったように思えた。

DSK